
Xin chào!(シンチャオ)こんにちは!ベトナム・ホーチミン在住のグローバルキャリアコーチYukaです。
新しい年の始まりに、この年末年始の体験から、海外で子育てをする中で感じた「成長の瞬間」について綴ってみたいと思います。
この冬、ベトナムでインターナショナルスクールに通うYear12(17歳、日本では高校2年生)の長男が、初めて単独で日本へ渡航しました。
ちょうど今年で海外生活10年目となる我が家。
人生の半分以上を海外で過ごしてきた彼にとって、日本は「ルーツのある国」でありながら、単独で長期間滞在するのは初めてでした。
親の付き添いなしで、知らない土地、知らない人の中に身を置く経験は、彼にとっても私たち親にとっても大きなチャレンジでした。
そんな息子が話してくれた今回の旅の一番の学びは、とてもシンプルなものでした。
「行く前はいろいろ不安だったけど、実際に行ってみたら、なんとかなるって分かった」。
その言葉を聞いた時、私はこの旅が彼にとって、かけがえのない経験になったことを実感しました。

今回の旅の背景には、IB校で学ぶ生徒がCAS(Creativity/Activity/Service)という課外活動の一環として参加できる「Duke of Edinburgh’s International Award(デュークオブエディンバラ国際アワード、通称:DoE)」があります。
このプログラムは1956年にイギリスで始まり、現在では世界130か国以上で実施されている、青少年のための国際的な教育プログラムです。
特徴的なのが、教室の外での体験を通じて、自己管理力、社会性、レジリエンス(困難に対処する力)を育てることです。
中でも「レジデンシャル(Residential)」プログラムは、
「知らないコミュニティに最低5日間滞在し、現地の人々と関わりながら奉仕活動や共同作業を行う」
という要件があり、まさに「自分を一歩、外に出す」経験が求められます。
息子はYear12からこのプログラムに参加しており、今回、友人を通じてご縁をいただいた長野県野沢温泉で、このレジデンシャルに挑戦することになりました。

野沢温泉では、友人の紹介により、地元の方が滞在先を提供してくださり、まるで家族の一員のように息子を迎え入れてくださいました。
ベトナムから来た海外育ちの日本人高校生という、少し変わった存在にも関わらず、温かくもてなしてくださったことに、心から感謝しています。
一方で、本来の旅のミッションは決して順風満帆ではありませんでした。
現地での活動として、事前にスキー場近くのカフェでお手伝いをする予定で面接も済ませていましたが、12月中旬はまだ雪が少なく、到着した時点ではカフェがオープンできていないという事態に。
「仕事がない」という、想定外の状況からのスタートでした。

そんな中、引率してくれた友人が地元の観光協会の方を紹介してくれたり、息子自身も「せっかくここまで来たのだから」と、直接あいさつのためにカフェを訪問したことで、少しずつお手伝いの機会が生まれていきました。
そして、結果的には5日間フルで2つの活動を掛け持ちし、さらに念願のスキーも満喫できるという、最高に充実した時間を過ごすことができたそうです。
メールや事前調整だけでは動かなかったことが、実際に現地に足を運び、人と会い、言葉を交わしたことで、少しずつ形になっていく。
そのプロセスを体感できたことこそが、彼にとって最大の学びだったのだと思います。
「行けば、なんとかなるって、本当なんですね。」
息子が友人に伝えたこの言葉には、単なる楽観ではなく、自分で実際に動いたからこそ得られた実感が込められていました。

海外生活では、安全面への配慮から、10代でも親が送迎をしたり、行動を共にしたりすることは珍しくありません。
その分、親子の時間が長く、反抗期もほとんどなく、穏やかな関係を築けるという良さもあります。
ただ一方で、高校や大学進学を機に、親子が別々の国で暮らすような未来は、意外と早くやってきます。
だからこそ、子どもが自立していくプロセスの中で、親自身が意識して「手を離す」経験をすることの大切さを、今回あらためて実感しました。
今回、我が家はDoEを通じて「知らないコミュニティに5日間滞在する」というお題を与えられ、このような機会に恵まれました。けれども、それをどのように実行するのかを決めたのは、本人です。
「可愛い子には旅をさせよ」といいますが、本質的には、親も子も、自分の意思で手を離すことが、社会へ踏み出すための大切なステップなのだと思います。
本人の意思を尊重し、信頼して見守る。この経験は、息子にとってだけでなく、私たち親にとっても、これからの海外子育てや教育を考える上での、大きな学びとなりました。
守るべきところは守りつつ、手放すタイミングも意識していくこと。
新しい年の始まりに、手放したことで、より大きな喜びを受け取ったような心地よさを感じた出来事でもありました。
この一年も、多くの笑顔と感動にあふれる一年でありますように。
シンガポール、タイを経て、ベトナム現地企業で働きながら、グローバルキャリアコーチとしてのパラレルキャリアを実践中。
プライベートでは中高生2人の息子の母でもあります。インスタグラムでは、夫婦共働き海外キャリアの秘訣やベトナムでの生活・日々の学びなど、現地からリアルな気づきをお届けしています!ぜひこちらもフォローしてくださいね。
Written by 大野由佳(ベトナム)