ボンジョルノ。シチリア島の州都、パレルモからの発信しています。
先日用事があってパレルモ市内へ行きましたが、町の閑散としている状況にびっくりでした。こんな状況になっているとは知りませんでした。想像していたよりもずっと酷かった。
ロックダウン解禁になっても旧市街へ出掛けたのはほんの数回で、用事だけ済ませて帰宅していたので今まで気が付かなかったのです。
メインの通りを何本か歩きましたが、どこもかしこもお店がクローズされています。何メートルにも渡ってシャッターが下りていて、こんなパレルモを目にするのは初めてでした。
この時期ジェラートを楽しむ人で賑わっているはずの広場のバールもガラガラ・・・・。
いつも満席で予約しないと絶対に座れないレストランも開いてはいるけれど誰もいません。地元の人と旅行者でいつも賑わっていたのに。
そもそも歩いている人が極端に少ないのです。旅行者は増えてきていると聞いていましたが、全然そんなことはありません。勿論多少はいますが、数としては物凄く少ないです。
スーツケースを持っていなくても、ただ歩いているだけでも、住んでいる人と旅行者の差は一目瞭然でありますが、いない・・・。
戦前から続いている店舗やレストラン、2ヶ月以上のクローズでやって行かれなくなり、完全に閉めた所があることは聞いていました。それだけでなく、フランチャイズのお店なども閉まっています。
私は経営には全く無知なので分からないのですが、2ヶ月ちょっとのクローズで破産してしまうものなのでしょうか。
店舗が賃貸であるならばかなりきついのは理解出来ますが、そして従業員の数にもよるという事も理解出来ますが、こんなにすぐに崩れてしまうものなのでしょうか。旅行者がいなくなったので、ホテルもあちこち閉まっています。
私は3月からずっと「ステイホームできる事に感謝」と思って過ごしてきました。
通訳、コーディネーターとしての仕事は勿論皆無。それでも持ち家はあるし、相方のお陰で何の不自由なく過ごしました。完全にノーストレスでしたし、不安も文句も出ませんでした。
車がないと生活出来ないのですが、外出しないからガソリン代が掛からなかった。お化粧しないから化粧品も減らない。外食もしないからお金を使わない。春物の洋服も何も買っていない。
週一回の買い出しで、材料をきちんと使い切るから無駄が出なかった。我が家は出費がかなり抑えられて、逆に少し潤ったのかもしれません。
シチリアの友人達も仕事を失った人もいるし、解禁になっても外食する余裕は全くないと言っている人もいます。だけれどもパレルモの町自体がこんな状態になっていたとは。
分かっているようで実は何も分かっていなかった自分に呆れてしまいました。私は自分が思っていたよりもずっと恵まれていたのですね。全然感謝が足りなかったと反省しています。
一時感染者ゼロになったシチリアですが、ここ数日ポツポツと出ています。まぁ一桁か、せいぜい10数人ですが。
それでもコロナはなくなっていないわけで、この状態がいつ迄続くか見通しが効かないわけで、おそらく今年一杯回復はなさそうですよね。勿論私もいつ帰国できるのか全く予想がつきません。
日本でもこんなに以前との違いを目の当たりにする事があるのでしょうか?ロックダウン中の渋谷や新宿の閑散とした風景はあちこちで目にしましたが、今は実際どうなのでしょうか?
パレルモみたいに破産したお店も沢山あるのでしょうか?様々な疑問が頭の中をグルグルと回っています。
パレルモだけではないのは百も承知ですけれど、活気が戻り賑わうこの町を取り戻したいと強く願った日となりました。
Written by 桜田香織(イタリア)