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【2026年版】マレーシア・ラマダンビュッフェ!今年だけの特別な街の空気とは?

2026年3月9日
土屋芳子 (マレーシア)

多民族国家マレーシアのラマダン

毎年この時期になると、マレーシアではラマダンの季節がやってきます。

イスラム教徒にとってラマダンは、日の出から日没まで飲食を断つ神聖な修行の期間。

自らを律し、家族や社会とのつながりを見つめ直す、1年の中でも最も大切な時間です。

そして、日没後。断食明けの食事「イフタール」は、家族や友人、職場の仲間とともに楽しむ特別な時間となり、多くの人がホテルのラマダンビュッフェへと集まります。

ホテルにとっても、この約1カ月は一年最大のダイニングシーズン。各ホテルが趣向を凝らした豪華なビュッフェを展開し、国内外の人々を迎えます。

 

33年に一度の「祝祭が重なる年」

左:チャイニーズニューイヤーのデコレーション 右:ラマダン、ハリラヤのデコレーション

2026年のラマダンは、例年とは少し違います。今年はなんと、チャイニーズニューイヤー3日目にラマダンがスタート。

チャイニーズニューイヤーもラマダンも、どちらも月の動きによって日程が決まります。月の満ち欠けを基準とする暦を使うため、毎年日付が変わるのです。

ただし、チャイニーズニューイヤーは太陽暦も組み合わせた太陰太陽暦なので、毎年1月21日〜2月20日の間でほぼ固定。

ですが、ラマダンは純粋な太陰暦を使用しているため、毎年約10〜11日ずつ早まっていきます。

2026年は、その月のリズムが偶然重なった特別な年と言えるでしょう。

重なるのは33年周期で、来年はさらにラマダン明けのハリラヤ、すなわちイスラム教の新年のことですが、これとチャイニーズニューイヤーが接近します。

街中にはまだ赤いランタンや旧正月の装飾が残り、中華系の方々が華やかなお祝いモード。そんな中、イスラム教徒のマレー系の方々は断食が始まり、街ではラマダンのライトアップやプロモーションが始まります。

ショッピングモールやホテルでは二つの祝祭が同時進行する、非常に珍しい光景が広がっています。

さらに、1カ月のラマダン終了後には、イスラム教徒にとってのお正月ともいえる「ハリラヤ・プアサ」が控えています。

つまり、2026年は1カ月の短期間で、チャイニーズニューイヤーからラマダン、ハリラヤへと移り変わります。

多民族国家マレーシアらしく、文化と宗教が自然に混ざり合う、独特な季節感を体験できる年となっています。

 

イベント続きでホテルはフル稼働

例年でもクリスマスからニューイヤー、チャイニーズニューイヤー、そしてラマダンへとイベントが続きますが、2026年は特にその間隔が短く、ホテル業界はほぼ休みなしの状態。

チャイニーズニューイヤープロモーションが終わる前から、ラマダンビュッフェのプレビューが始まり、レストランスタッフにとっては一年で最も忙しいシーズンと言えるでしょう。

メディア向け試食会も例年以上に早い段階から開催され、10月にはすでにラマダンビュッフェのプレビューを実施するホテルもありました。

この時期の私はクリスマスとチャイニーズニューイヤーとラマダンビュッフェのメディア向けプレビューが毎日混在していて、ランチのイベントでチャイニーズニューイヤー向けの赤い服を着て出席し、終了後一旦帰宅してラマダン向けに緑色の服に着替えてディナーに行くというような感じです。

「クリスマスプレビューだと思って赤い服で行ったら、勘違いでラマダンプレビューだった」という日もありました。

 

2026年ラマダンビュッフェの傾向

今年感じる大きな特徴は、豪華さよりも体験型へのシフトです。品数が多い大規模感は健在ですが、近年の物価上昇の影響もあり、高級食材を並べる競争から、

・地方伝統料理の再現
・シェフによるライブクッキング
・家庭料理スタイルの演出
・ノスタルジックな「カンポン(村を意味する言葉)」をテーマにする

といった、文化体験としてのビュッフェが増えています。

もちろん定番の人気メニューも健在。

ラムの丸焼き、サテ、ビーフレンダン、レマン、色とりどりの伝統菓子クエといったマレーシアの伝統的な料理、地域の伝統料理から毎年の定番になりつつある、ドリアンを発酵させた汁で煮込む料理「テンポヤッ」もお目見え。

ここ数年で人気から定番に変わった中東のケバブサンドウィッチ「シャワルマ」などは大抵のホテルで提供しています。

 

ムスリム以外にも人気の理由

ラマダンビュッフェは宗教行事でありながら、今では国民的イベント。

ムスリムでなくても、「一年で一番マレー料理が充実する時期」として楽しみにしている人も多くいます。

普段は食べ比べる機会の少ない各州の郷土料理が一堂に集まり、マレーシアという国の食文化を一晩で旅できるような体験ができるのです。

赤い旧正月の装飾、ラマダンの月のモチーフ、そしてハリラヤに向けたグリーンとゴールドのデコレーション。

2026年のマレーシアは、異なる文化のお祝いが重なり合い、街全体が長い祝祭期間に包まれているような雰囲気です。

断食という静かな精神性と、家族や仲間と食卓を囲む温かさ。

ラマダンビュッフェは、単なる食事ではなく、多民族国家マレーシアの価値観そのものを体験できる時間なのかもしれません。

今年もまた、街に流れるやさしい高揚感を体験する1カ月を過ごしています。

※ マレーシアでの飲食店向けPR、SNSマーケティングを承っています。また、企業のマレーシア進出のための視察コーディネート、調査などもオーダーメイドで対応しています。お問い合わせはInstagramからお願いしますからお願いします。

Written by 土屋芳子(マレーシア)

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