中秋の秋月、いわゆる十五夜は旧暦の8月15日。2021年は9月21日です。
例年マレーシアでは、シンガポールや中国や香港などと同様に、約1か月前から月餅(ムーンケーキ)が売り出されます。特設売り場があちこちに設置され、お気に入りの月餅を購入してお世話になった人に贈るという習慣は盛大なものです。
子供の頃、月餅というと、中華街で売っている、甘くてずっしりと重くて、胡麻の風味のするあんこがずっしりと入っている焼き月餅がすべてだと思っていました。正直あまり好きではありませんでした。
マレーシアに来ていろいろな月餅があるということを知り、年数を重ねるうちにおいしいものがたくさんあることを知り、どんどん好きになってきています。
2019年にも月餅についての記事を書きましたが、去年と今年はご存知のようにコロナ渦。マレーシアは2021年5月からロックダウンに入り、すでに4か月が経過しようとしています。
店頭での大規模な月餅特設売り場は影をひそめ、それぞれの店舗での販売とオンラインでの販売が主になっています。
私のお気に入りは、シンガポールのラッフルズホテルのシャンパントリュフ入りの生月餅(スノースキン)ですが、2020年からシンガポールとマレーシアの国境が閉鎖されていて普通には往来できません。
冷凍で販売されているその商品をお取り寄せすることは残念ながらできないので、今年はマレーシアの月餅を楽しみます。
あんこがぎっしり入っているものや、ナッツ類がぎっしりのものは、いわゆる北京式の焼き月餅。中国本土では、ハムなどが入った塩味の月餅もあるそうです。パイ皮の月餅は、上海式と言われています。
マレーシアの中華系はもともと中国の南方からの移民が多いため、中国系の食べ物は広東式など中国の南から入ってきて伝わったものが多く、香港で売っているものと似ている傾向があります。
広東式の焼き月餅というと、小豆餡もありますが、ハスの実から作るロータス餡が多く出回っていると感じます。月に見立てた、アヒルの卵黄の塩漬けが入っているものも多いです。
上品な甘さの餡に、まろやかで塩気のあるソルティッドエッグが合わさると、絶妙なバランス。見た目の豪華さ、高級さもプラスされます。
また、ハスの実餡に、抹茶やウーロン茶やかぼちゃ餡などを合わせたり、チョコレートやカスタードを合わせてアレンジしているものも出てきていますが、基本はトラディショナルなスタイルの月餅が多く出ています。
月餅は、ケーキのようにカットして、みんなで分け合っていただくのが正式な食べ方。
昔好きではなかったのは、1人で1個食べると思ってたから甘すぎて重すぎたのですね。
1つの月餅を、1/4や1/8にカットして分け合っていただくと、いろいろな種類がいただけるし、ちょうどおいしくいただけます。
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