前回のコラムでは、タンデム学習のメリットとパートナーの探し方についてお伝えしました。タンデム学習には、多くのメリットがある一方、デメリットも存在します。
本稿では、タンデム学習を始める前に知っておきたいデメリットについて解説したいと思います。
タンデム学習では、相手と自分の語学レベルが一致していることが重要です。
レベルがかけ離れている場合、学習効果が得られなかったり、お互いにストレスを感じたりする可能性があります。
例えば、初心者と上級者がペアになった場合、上級者は退屈する可能性があります。また、文法の理解度や語彙力に大きな差がある場合、コミュニケーションが難しくなる可能性があります。
対策としては、以下のようなことが挙げられます。
・レベルが近い相手を選ぶ。
・事前にレベルチェックを行う。
タンデム学習は、お互いの都合を合わせて時間と場所を決めなければなりません。忙しい人にとっては、時間を見つけるのが難しい場合もあります。
例えば、どちらも仕事や学業で忙しい場合は定期的に会うのが難しいですし、異なるタイムゾーンに住んでいる場合は時間を合わせにくいこともあります。また、外で会う場合は、学習できる静かな場所の確保が必要です。
対策としては、以下のようなことができます。
・ライフスタイルの似たパートナーを選ぶ。
・必要に合わせてフレキシブルな対応をする。
・隙間時間を活用する。
・図書館近くのカフェは学習に寛大な場合が多い。
タンデム学習は、お互いのモチベーションを維持することが重要です。
どちらか一方がサボりがちだと、もう一方がモチベーションも影響を受けてしまうことがあります。
克服方法としては、以下のことなどができます。
・共通の目標を設定する。
・定期的に進捗を確認する。
・モチベーションアップのためのイベントに参加する。
異なる文化を持つ人と話す場合、文化的な背景の違いから誤解が生じる可能性があります。
例えば、習慣や価値観の違いか衝突が生じたり、冗談のつもりが通じず、良くない印象を持たれてしまうこともあるようです。
対策としては、以下のことを試してみましょう。
・相手国の文化について学ぶ。
・自分の文化を説明する。
・誤解が生じたら冷静にしっかりと話し合う。
インターネット上でタンデム相手を探す場合、個人情報を悪用される、金銭をだまし取られる、セクハラを受けるなど、悪意のある相手に遭遇する可能性があります。
SNSなどを使ってタンデムパートナーを探す場合などには、以下のことには気をつけてください。
・個人情報を公開しすぎない。
・安全な場所で会う。
・怪しいと感じたらそれ以上近づかない。
・必要に応じて信頼できる第三者に相談する。
今回はデメリットについて書いたので、タンデムに対して「やっぱり難しそう」「こわい」というネガティブなイメージが出てきてしまったかもしれません。
でも、タンデム学習には教科書や教室でのレッスンだけでは学べない生きた語学を能動的に学び、人間関係まで広げ深めることのできる可能性のある学習方法です。
メリットとデメリットを理解した上で、自分に合った方法で取り組んでみてくださいね。
Written by 藤村ローズ(オランダ)