サウジアラビアで初めて女性運転手を発見した時は、とても興奮した事を昨日のように覚えています。
「女性が運転できるような時代が、いつかサウジアラビアにも来る!」と希望を大きく持っていたのは、他の誰でもなく、現地の女性でしょう。
2016年12月も終わりの頃、私は初めてサウジアラビアという未知の国へやってきました。
それから4年の月日が流れ、5年目に突入しています。過去を振り返って見ると、何十年もここに住んでいたかのように感じているのが、正直な気持ち。
サウジアラビアの国が驚くほどの勢いで変化し、発展していく経過を見られたからだと感じています。女性ができることが増え、彼女たちの生活がもっと豊かになっています。
サウジアラビアで女性ができるようになった事とは、一体どんな事で、どのように影響しているのでしょうか?
まず1つ目は、女性が運転できる様になった事です。
1991年12月には、リヤド市内で47人の女性たちが突然、昼間から夕方にかけて集団で車を運転し、「運転の権利」を女性にも与えるよう、訴えた。(私の知り合いもメンバーの一人だった。全員、海外で運転経験があった)。『アラビア最近生活事情恋するサウジ』郡司みさお(著)より引用
その運動から約17年後に、彼女たちの夢は現実と成りました。女性の車の運転が2018年6月に解禁。この事はサウジ女性にとても大きな影響を与え、彼女たちの自立の大きな一歩になっています。
女性の運転が解禁になり、運転免許を取得するため教習所へ女性が殺到している様です。女性がカーショップで自動車を選んでいる場面もよく、目にするようになりました。
私も運転免許証を取得可能ですが、ここでの運転は私の常識を常に上回り、ハラハラドキドキ。もう少し先になりそうです、、、。
2つ目は、女性もサッカー観戦ができる様になった事です。サウジアラビアでは、2018年1月に女性のサッカー観戦が許されました。
サウジアラビアは保守的なイスラム教国で、公共の場では不特定多数の男女が同席するイベントは避けるべきだとされている。スポーツ観戦は男性に限られてきた。朝日新聞DIGITALより引用
それまで男女一緒にスポーツ観戦することは許可されていませんでしたが、今では夫婦や家族で楽しめるイベントの一つになっています。
コロナの影響により、現在はテレビ中継で観戦をしている方々をよく見かけます。
3つ目は、女性が男性(父親、夫や男兄弟)後見人の許可なしで、旅行ができるようになった事です。
2019年8月、21才以上の女性は、男性の後見人なしでパスポートが取得可能になりました。
こちらも女性みなが凄く喜んでいた出来事で、全世界でも取り上げられていたニュース。
ちなみに、この許可が出る前から国内旅行や海外旅行を楽しんでいた女性や、海外留学した経験がある女性も多くいますよ。
Red Sea Mallの中にあるスーパーの様子
最後の4つ目は、女性の働いている姿をよく見かける事です。
サウジアラビアに来た当初は、女性が公の場で仕事をしている姿をあまり見かけませんでした。
それまでにいた国では、化粧品や下着など女性用品ショップで、女性店員を見ないという場面がありませんでした。だから、買い物をしている時に凄く違和感を感じていたのが、本音。
唯一、女性が働いている場所は、大きなチェーン店のスーパーのレジでした。そこでは、大体1人か2人の少人数が女性でした。
最近は男性よりも女性のレジ店員が多く、化粧品や洋服ショップには女性店員がいて、以前より安心して買い物ができるようになったと感じています。
レストランやカフェでも女性店員が多くなり、サウジアラビア女性と会話をする機会が増えて嬉しいです。
そして、ついに今月、初の女性スタッフだけのスーパーマーケットがオープン!
これからのサウジアラビア女性の活躍を、大いに応援していきたいです。
Written by ミッチェル真理(サウジアラビア)