ロンドンから南東に向かって車で2時間くらい、St Pancras駅からは1時間少しという場所にその街はあります。「中世の名残がそのまま残る可愛らしい街」と噂に聞いていました。
ロックダウンの規制が緩和され、街の小売店が営業を再開し始めた平日の水曜日。気分転換ににふらっと訪れてみました。
現在は海岸線が後退して川に囲まれた地形になっていますが、中世にはほぼ海に囲まれていたといいます。
歴史的にフランスとの戦争で領土の取り合いが繰り返される中、ライは要の港として栄えた時代もありました。13世紀前半まではフランスに統治されていましたが、ヘンリー3世が取り戻して特権港としたようです。
ライは数時間あれば歩いてまわれる小さな街です。街の至る所で無料で地図がもらえ、観光にも力を入れているようです。
街の中心には「マーメードストリート」という坂道があり、かつて港町だったことがうかがい知れます。この通りにある「マーメード・イン」という宿屋でランチをしました。
左:フィッシュサンドイッチとカプチーノ、右:カフェの外観
この「マーメード・イン」は、中世には悪名高い密輸組織の溜まり場として有名だったとか。
インターネット情報によると、もう一軒の宿屋「ジ・オールド・ベル・イン」と秘密の通路でつながっている(いた?)そうです。
現在、イングランドではカフェやレストランで室内の飲食は禁止されていますが、外の席なら楽しむことができます。たくさんの人が開放的なテラス席で思い思いの時間を過ごしていました。
港町に来たんだからとフィッシュサンドイッチを注文しましたが、お味は典型的なイギリスのお味でした。
外のお席で食べると熱々の魚のフライがすぐに冷たくなってしまったけど、今は外食ができること自体に感謝しかない!美味しくいただきました。
左上下:ライ城、上:ヘンリージェームスが暮らしたラムハウス、右下:セントメアリー教会
街を展望できて、素晴らしいステンドグラスのある教会「セントメアリー教会」や、「ライ城」など建物の中に入って観光できるような施設は、まだ規制があり、クローズしています。
ただただ、ずっと歩き回っているだけの旅でしたが、何しろ可愛い街なので観光施設に入れなくても問題なし!家々のドアや窓、佇まいを見ているだけで妄想、想像が膨らんでしまいました。
実はライは、作家のヘンリー・ジェームスが暮らした街としても知られています。
彼の作品の中に「ねじの回転」という怪談があります。「ねじの回転」のことを思い出した時、そして、ランチをしたマーメード・インで感じたこと。
こんなことを言って良いのか分かりませんが、お化けがいそう…。中世そのまんまが残っているから、もしかしたらお化けも暮らしているかもな、と思ってしまう感じなんです。
だからと言って決して怖い街ではなく、本当に可愛らしい街なんですよ。あくまでも個人的な感想、戯言なのでお許しください。
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