イギリスの長くて暗い冬が終わると、待ちに待った暖かい季節がやってきます。
今年はロックダウンの為、1番気持ちの良い季節なのに家の中で過ごさなくてはならなかったのは残念でした。
ロックダウンの規制が解除されてきた今、短い夏を楽しむ為、太陽を思いっきり浴びに郊外へ足を伸ばしてみました。
「Pick Your Own」とは、農場に行って野菜や果物を収穫することです。ロンドン郊外には、いくつものPick Your Ownの農場があり、収穫を楽しむことができます。
いつもの年ならふらっと思い立って遊びに行くことができたのですが、今年はソーシャルディスタンスを保つ為、どこの農場も人数制限をしています。
私の訪れたParkside farmでは事前にオンラインチケットの購入が求められました。(2日前から予約可能。大人子ども共に4ポンド)
入り口には、いま収穫できる野菜や果物が看板で表示されています。
入り口で、収穫した果物を入れる紙のカゴと野菜を入れるビニール袋をもらい、中に入ります。あとは自由に収穫をします。
日本ではイチゴ狩りなどに行くとその場で食べることも可能ですが、こちらの農園には味見はしないように注意書きがあります。
入場制限をしている為か、そんなに混んでおらず広々とした中で収穫を楽しめました。
今回は、苺とラズベリーが狙いでした。
あまり多く収穫して悪くなったらいけないと思い、控えめに収穫したのですが、精算したらこの量で2ポンド(280円)にもなりませんでした。
もう少し欲張ればよかったです!
実際に収穫をすることは食育にも繋がるし、自分で採ったからなのか、苺がとっても美味しいです!
収穫した苺はなんちゃってイートンメスにして楽しみました。イートンメスというのは苺を使ったイギリスのデザートの名前。
サクサクのメレンゲと、生クリーム、それに苺をぐちゃぐちゃに混ぜて食べます。ぐちゃぐちゃに混ぜて時間が経つとメレンゲが溶けてしまうので、溶ける前にサクサクの食感を楽しみながら食べます。
メレンゲはスーパーでも売られており簡単に手に入れることができます。
イートンメスの“イートン”は、イギリスの名門パブリックスクール、イートン校からきています。”メス”は英語のmessでめちゃくちゃとか混乱という意味て。諸説ありますが、イートン校から生まれた食べ方のようです。
メレンゲや生クリームの白と苺やラズベリーの赤のコントラストが可愛らしいイギリスの短い夏を代表するデザートです。
残念ながら、今年は中止になってしまいましたが、テニスのウィンブルドン 選手権の会場ではこの苺&生クリームを楽しむことが風物詩となっています。
来年はぜひウィンブルドン の会場で苺をつまみながらテニス観戦といきたいものです。
当たり前の楽しみが味わえなくなってしまいましたが、何気ない日常の有り難さも感じることができました。ロンドンが通常に戻るその時まで、もうしばらくは家の中で苺を楽しみます!
Written by 伊藤結子(イギリス)