新型コロナウィルスの影響により、長らくロックダウンをしていたロンドンですが、少しずつ規制が緩和されてきています。
3月23日に外出禁止令が出された際に国民に許可されたのは、1日に「一種類の運動」のみで、その中に、ウォーキング、ジョギングの他にサイクリングが含まれていました。
また、5月10日にボリス・ジョンソン首相は、その演説の中で「可能であれば公共交通機関は使わず、車や徒歩、自転車で移動してほしい」と訴えていました。
ロンドンは自転車道がそこまで整備されているわけではなく、サイクリングが盛んというイメージはあまりありませんでした。しかし、ロックダウンに入ってからサイクリング人口が急激に増えました。
英国の自転車協会によると、ロックダウンが実施されてから自転車の売り上げが前年比の200パーセントになったというデータも発表されています。
近所の自転車屋さんのお客さんも心なしかいつもより多いような気がします。
私の身の回りでも、自転車に乗るようになった知人友人がチラホラいます。外を歩いていてもやたら自転車を見かけるようになりました。
新型コロナ流行前には、1日当たり最大500万人がロンドン地下鉄を利用し、100万人が列車で通っていたそうです。
ソーシャルディスタンスを取るためにはどうしても座席数が減ってしまうので、ロックダウンの解除後には交通手段が課題になりそうです。
可能ならば、自転車や徒歩の通勤が理想なのだとは思いますが、遠方からの通勤ではなかなか難しいところです。
ロンドン当局は今、サイクリストや歩行者向けの新ルートを急ピッチで増やしています。
6月16日から生活必需品以外のお店の営業が再開したため、ロンドンのショッピングの中心であるオックスフォードストリートに出かけてみた時に、以前はなかった自転車用の道が作られていることに気付きました。
ロックダウン中にこんな工事をしていたのですね。
車の1車線を急に自転車用の道に変更しているため、渋滞が起こっている箇所も一部ありました。
新型コロナ流行前よりイギリス政府は、環境への配慮から自転車の利用を推進していたのですが、思わぬ理由でサイクリング通勤の環境が整いつつあります。
ロンドンの道はあまりサイクリング向きだとは感じていなかったので、この変化は個人的に大歓迎です。
下半身の筋肉を鍛えたり、有酸素運動の効果もありますが、自転車に乗って走っているとストレス解消の効果もありますよね。
今後のサイクリング環境の向上に期待しています。
Written by 伊藤結子(イギリス)