中国本土から伝わったのではなく、香港のベーカリーのシェフが1989年に開発した月餅に、スノースキン月餅というものがあります。
今では香港だけでなく、シンガポールやマレーシアでも人気の定番となっています。中国本土ではあまり見かけない気がします。
これは生タイプで、お餅のような、牛皮のような皮で餡を包んだもの。たいてい冷凍で販売されていて、解凍していただきます。
上品な和菓子のような趣もあり、一度いただくと、毎年食べたいと思うほど。
このスノースキンは新しい月餅なので、発想と想像力でどこまでも種類は広がります。
ブランデーやギネスビールなどのお酒をいれたもの、フルーツ入り、チョコミント味、チョコレートトリュフが丸ごと餡の中に入ったタイプは大人気。タピオカ入りなどもあります。
ありがたいことに、いくつかのメーカーやホテルから贈っていただき、たくさんの種類の月餅を味わうことができました。現時点で私が食べた月餅は、5社、30種類!
マレーシアの日本人で、一番たくさんの種類の月餅を食べているのは私ではないかと自負しています。正直に言って、個人の好みはいろいろありますが、どの会社のものもとてもおいしいです。
低糖だったり、無添加、無着色、保存料不使用という、素材の味でおいしく作っているものがほとんどです。現在はそのような自然の味がお客様に好まれているから、どの会社も好みに合わせて開発しているのでしょう。
箱も美しい色や、豪華に作られたものが多く、贈られたらとても嬉しい気持ちになります。
この時期、月餅という名前で、実は月餅の形をしているだけ、というようなものもたくさん売り出されます。
ハーゲンダッツは毎年アイスクリーム月餅を売り出していますし、ゴディバはチョコレート月餅を売っています。どちらも、月餅という名前ですが、形が月餅というだけで、中身はアイスクリームやチョコレート。
オレオなどのメジャーな製菓メーカーも月餅を作っています。スターバックスでは、コーヒー風味の月餅が可愛らしくて人気。シンガポールのティーサロンTWGでも美しい月餅と紅茶のセットを売り出しています。
9月21日の中秋の秋月に向けて、お気に入りの月餅をぜひ味わってみてください。
Written by 土屋芳子(マレーシア)
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