前回のコラムでは「アフリカから見る古着の闇」というテーマで、アフリカの現状をお伝えしました。今回は、この状況の中で私たちにできることについて考えてみたいと思います。
さまざまなハードルを乗り越えながら、なんとか自国の繊維産業を守ろう、発展させようと頑張っているルワンダですが、もちろん古着は2021年の今でも沢山売っていますし、多くの人に必要とされています。簡単には抜け出せません。
この負のサイクル、間違いなく先進国で服を大量消費している私たちに責任があります。では私たちにできることは何でしょうか。
多くの社会問題がある中で、私たちができることというのはそう多くはないかもしれません。アフリカの古着問題なんて遠い国の話とも思われるかもしれません。ですが、知れば知るほど遠い国の話ではないことが分かってくるはずです。
もしまだこの問題を考えたことがなかったという方は、まずは古着や寄付の「その先の現実」を知り、日常の話題として話をして、もっと身近なことだと感じてほしいです。
着なくなった服を寄付する時、どのように寄付先を選びますか?
寄付先をきちんと見極めないと、寄付したつもりが、実はその団体や企業の利益のためだった、ほとんどが破棄されていた、といったこともあるかもしれません。
大手のアパレル企業でも「着なくなった服を寄付します」と謳い、善い行いをしているように見えますが、その裏では売れない新品の服を破棄しているという現状があります。
ちなみに日本では一年間で約10億枚の新品の服が捨てられているそうです。「新品」ですよ。
大量に安く生産して、売れなくなったものは破棄する、にもかかわらず古着は寄付する。矛盾している気がしてなりません。
寄付をする時は、「どんな団体がどんなふうに役立ててくれるのか、だれに寄付されるのか」が明確なところを選ぶことが大切なのではないかと思います。
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