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ルワンダのファッションについて。伝統衣装とアフリカ布

2021年7月30日
竹田あすか (ルワンダ)

ルワンダの伝統衣装

これまでにルワンダの食文化、家事情をお伝えしてきました。ルワンダ衣服の歴史やファッションについて書いてみようと思います。

まずはじめにルワンダの伝統衣装について歴史と一緒に、少しお話をしたいと思います。

ルワンダでは過去数世紀に渡って、山羊、子牛、牛の皮が衣服として着用されていました。

この伝統衣装はルワンダ共和国が宣言されたのち、王室や貴族が着るものから一掃されました。そして欧米の政治システムなどとともに、徐々に衣服も海外の物に入れ替わっていったそうです。

ですが、いまでも結婚式などの冠婚葬祭では伝統衣装を身に纏います。ルワンダ女性の伝統衣装はイミシャナナ(またはウムシャナナ)と呼びます。


下は巻きスカートで、上は一枚の大きな布を片方の肩に結び身に纏います。シンプルですが、とてもエレガントで素敵です。この衣装を着ているルワンダの女性たちを見かけるとついつい見とれてしまいます。

私も一度結婚式で着る機会がありましたが、全然着こなせませんでした。

そして結婚式では花嫁さんが必ずつけている伝統の冠。ビーズで作られた二重のヘッドバンドにサイドにはスティックが飾られています。これがまた何ともおしゃれでカッコいい。

このビーズの歴史はアフリカの奴隷貿易時代にさかのぼります。

ヨーロッパからアフリカへ輸出されたビーズはアフリカの王たちと黄金や宝石、そして奴隷と交換され、富や社会的地位の象徴とされてきました。悲しい歴史でもあります。

元々は動物の皮で作った衣装に動物の牙や角などから作られていたそうです。ルワンダの博物館で見ることができます。

左:イントレ・ダンス、右:花嫁さんの伝統の冠

もう一つ伝統衣装をご紹介します。

ルワンダには「イントレ・ダンス」という伝統ダンスがあります。王宮で戦士が戦いの勝利をお祝いするために踊ったダンスが起源だそう。

巻きスカートに草で作られたライオンをイメージしたかぶり物、色とりどりのビーズのベルトを身に纏い、足元には踊るたびに素敵な音色のする鈴をつけています。

ペイントされた盾と槍を持っているのも、戦士の踊りならではだなと感じます。

私は子供たちが踊っているところしか実際に見たことはないのですが、成人の男性が踊っているのを目の前で見たら、さぞかし迫力があるだろうと思います。

ルワンダに住んでいる間に是非実際に見てみたいものです。

 

アフリカ布(アフリカン・プリント)

色鮮やかなアフリカ布は万能アイテム

続いては、とってもおしゃれなアフリカ布「キテンゲ」についてです。

アフリカ布はアフリカン・プリントとも呼ばれ、多くのアフリカ諸国で愛されています。色鮮やかで大胆なデザインが多く、とても華やか。最近では日本でもよく見かけるようになってきたとか。

ルワンダの人々は自分の好きな布を買い、仕立て屋さんで好きなシャツやスカート、ドレスなどを作ってもらいます。

一から服を縫ってもらうなんてとても高いような気がしてしまいますが、こちらでは新品の洋服を買う方が高いのです。

仕立ての値段は地域によっても様々ですが、ルワンダの首都では一枚千円程度でワンピースを仕立てることができます。腕のいい仕立て屋さんだと五千円、一万円というお値段もありますが。

実はこのアフリカ布、ルーツはインドネシア。大航海時代にまでさかのぼります。オランダがジャワ島で見つけた伝統工芸である“更紗”のろうけつ染めを自国に持ち帰り、機械化し大量生産。

そこから植民地である西アフリカ諸国に輸出するとたちまち人気となったそう。アフリカ布の歴史もまた植民地支配が背景にあり、悲しい過去でもあります。

そんな歴史ではありますが、色鮮やかなアフリカ布はルワンダやアフリカの人たちをとっても美しく魅せてくれます。

服だけでなく、風呂敷のように物を包んだり、頭に巻いたり、赤ちゃんのおんぶ紐替わりになりとっても万能アイテム。生活に欠かせません。私もアフリカ布でアクセサリーを作ったりしています。

いつかルワンダやアフリカの国に訪れることがあったら自分で好きな布を選んで好きな服を作ってみるのもきっと楽しいはず!はまってしまう人もいるかもしれませんね。

次回は、ルワンダや多くのアフリカの国で欠かせない「古着」についてご紹介したいと思います。

【MAHORO】
https://mahoro.shop/

【参考】
The Evolution of Rwanda’s Clothing, Safari Rwanda
https://www.gorillasafarirwanda.com/blog/evolution-rwandas-clothing-safari-rwanda/

国立民族学博物館コレクション/ビーズ イン アフリカ
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/storage/jp/museum/press/2012_beads.pdf

アフリカン・プリント・ヒストリー(前編)誕生の軌跡
https://www.riccieveryday.com/blogs/african-prints-story/africanprinthistory1

Written by 竹田あすか(ルワンダ)

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