「ブンカーニャチャン」は魚が入った米粉麺
Xin chào!ベトナム・ホーチミン在住のYayoiです。
近年経済成長の著しいベトナムですが、労働人口の約40%は農林水産業に従事している、農業が盛んな国でもあります。
特に米の生産がとても盛んで、2021年に報道されたデータによると、ベトナムの米の輸出量は世界第2位となっています。主な輸出先は東南アジアの国々ですが、中東やアフリカの国々にも多く輸出されています。
世界各地に輸出される量も多いですが、ベトナムも日本と同じくお米が主食の米食文化の国なので、よくお米を食べます。
日本のように炊いた白米とおかずなどを一緒に食べることもありますが、お米が米粉に加工され、それがさらに麺やライスペーパーなどになり、麺料理や春巻きなどとして提供されることも多いです。
2020年、ワールド・レコード・ユニオン(World Kings) という認定機関が、ベトナムの米粉料理は143種類あり、世界一の種類の多さということを正式に認定しました。
今回は、ベトナムで食べられている代表的な米粉料理を紹介したいと思います。
左上から時計回りに「フォーガー(鶏肉のフォー)」「フォーボー(牛肉のフォー)」「ブンボーフエ」「フーティウ」
まずは米粉からできた米麺料理。日本で最も有名なベトナム料理といえば、「フォー(Phở)」ではないでしょうか。
フォーとは料理名ではなく、麺の種類を指しています。形状はきしめんや沖縄そばのような平打ちの麺に似ており、ベトナム北部が発祥です。
フォーには、「フォーガー(Phở gà= 鶏肉のフォー)」と「フォーボー(Phở bò = 牛肉のフォー)」があります。
フォー以外の麺では、「ブン(Bún)」と呼ばれる米麺もあります。ブンはそばくらいの太さの円形の麺で、料理のバリエーションはフォーよりも多いです。
ブンには、スープに米麺と牛肉が入った「ブンボーフエ(Bún bò Huế)」や魚の入った「ブンカーニャチャン(Bún cá Nha Trang)」(トップの画像)など、発祥の地の地名が付いた料理が多くあるのも特徴です。
ブンボーフエのフエはベトナム中部にある都市、ボーはベトナム語で牛肉の意味。ニャチャンはベトナム中南部の都市で、漁港の町なので魚(cá)が入っています。
また、ホーチミンを含め、ベトナム南部でよく食べられているのが、「フーティウ(Hủ Tíu)」という麺です。
フーティウはそうめんのような細い米麺で、「フーティウナムヴァン(Hủ Tíu Nam Vang)」という料理が有名です。エビや豚肉などが入っており、汁なしバージョンもあります。
ちなみにNam Vangは漢字で書くと「南旺(=カンボジア)」で、カンボジア経由でベトナム南部に伝わったとされています。
左:バインクオン、右上:日本でもお馴染み生春巻き「ゴイクオン」、右下:バインセオ
お次はライスペーパーです。ライスペーパーを使った料理で日本でもよく食べられているのは、生春巻きではないでしょうか。
生春巻きはベトナム語では「ゴイクオン(Gỏi cuốn)」といい、ライスペーパーにエビや豚肉、レタスやパクチーなどの生野菜、米粉の麺ブンが巻かれています。
ちなみに生春巻きは、ベトナムではお箸ではなく、素手で掴んで食べるものです。
生春巻き以外にも、「バインクオン(Bánh Cuốn)」と呼ばれる、豚ひき肉とキクラゲなどをライスペーパーで包んで蒸した春巻きもあります。
バインクオンはレストランでも食べられますが、どちらかというと家庭料理で、ベトナム北部が発祥です。バインクオンは朝ご飯やおやつとしてよく食べられています。朝ご飯や軽食としてデリバリーすることも可能。
最後に「バインセオ(Bánh xèo)」という、米粉でできたクレープのような生地に、エビや豚肉、野菜などを入れて焼いた料理があります。
バインセオは、主にベトナム南部でよく食べられている料理で、生地が黄色いのはターメリックで色付けしているため。
いかがでしたか?好きなベトナムの米粉料理や食べてみたいものはありましたか?
私はベトナムに住み始めて2年になりますが、143種類のうち、食べたことがある米粉料理は、おそらく20種類程度ではないかと思います。
せっかく現地に住んでいますし、今後はもっといろんな米粉料理を食べてみたいと思います。
Written by 平良弥生(ベトナム)