
バロック風の建築が美しいNoto(ノート)の街
こんにちは、会社員をしながらヨーロッパを旅するように暮らす「やりたいこと全部やる人生」のTowamiです。
前回、前々回と、シチリア南東部の「思いつきバカンス」についてお話ししました。そんな楽しいバカンスの3日目に、事件は起こりました。
その日も日中はビーチでのんびり過ごし、海から帰ってきて、夜はバロック風の建築が美しいNoto(ノート)の街に行き、音楽祭の始まりの日のコンサートを聴きながらディナーをしようと考えていました。
車に乗って「さあ出発しよう」としたその瞬間、なんと車が動かない!車が故障していたのです。
レンタカー会社に何度電話しても繋がらず、車がないとスーパーにも行けません。
すると夫が「車のケーブルを持ってる人を探そう!」と言って、宿泊先のAirbnbの近所のお家を一軒一軒周りながら「ケーブル持っていないですかー?」と叫んで訪ね歩くことに。
私だったら「周りに叫んで助けを求める」なんてことは思いつかないのですが、さすがフランス人の発想は違うなと思いました。
近隣の家を一つ一つピンポンと鳴らして、イタリア語で事情を説明しながら、道ゆく人も含めてたくさんの人に助けを求めました。
皆、かなり親身に助けようとしてくれて、うちの車まで見にきてくれたりしたのですが、結局ケーブルを持っている人は見つかりませんでした。

賑わう夜のシラクーザの街の様子
もう諦めて「明日、もう一度空港のレンタカー会社に電話するしかないな」と思っていた矢先。
最後に訪ねた道の一番端っこにあるお家のご家族が、「私たちのこの夏の別荘にはないけれど、自宅にあるかもしれないから見てくる!」と言って、わざわざ車で15分ぐらいの自宅まで行って車のケーブルを探してきてくれたのです。
そこはイタリアに典型的な、3世代、4世代が一緒に夏休みを過ごしている大きな家族でした。
待っている間は「うちの庭でゆっくりしていきなさいな」と言ってもらい、おばあちゃんから小さい子供までが一緒になったシチリア人の家族たちと、イタリア語で会話しながら過ごしました。
息子はその家族の息子たちと、大きな庭で一緒に遊んでもらって楽しそうでした。
家族の一員だった10歳ぐらいの男の子が日本に興味津々な様子で色々質問してくれて、「どうして君は日本人なのに、僕たちと同じように喋っているの?」とも聞いてくれました。
きっと彼は外国人、しかもアジア人と話したことはなかったのでしょう。「こうやって子供達は自分の国の外の世界に目を向けていくのかと、面白いなぁ」と印象に残りました。

シチリア特有のデザインの可愛いお皿
そして、改めてイタリア人家族の優しさに胸が熱くなりました。
旅先で会っただけの見知らぬ外国人の私たちと家族ぐるみで仲良くしてくれる。まるで親戚であるかのように。
もちろん他の国でもこのように暖かく受け入れてもらって嬉しかった経験はたくさんあるのですが、イタリア人の「あなたも家族の一員」の空気感には独特なものがあり、いつも感動させられます。
同時に語学を学んできてよかったなと実感しました。完璧には話せなくても、相手の言葉を話して意思の疎通ができるだけで、もっと深く受け入れてもらえるような気がします。
また、おばあちゃん世代とも、お互いの色々な文化の違いを発見できて、現地の情報も得られて、楽しく心に残る時間を過ごすことができます。
その後、車は無事直ったようだったのですが、夫は念のためエンジンを動かし続けなければならないということで、一人でショートドライブに出かけました。
その間、私は息子と近くのピッツェリアへ。冷房のない暑いレストランで汗をかきながら、前回の記事で書いたピスタチオのソースたっぷりのピザを2人でゆっくり食べました。だいぶ重かったですが、美味しくて半分は食べてしまいました。

チョコレートの街、モディカの教会から見る絶景
その夜は結局どこにも行けずがっかりしましたが、車のトラブルのおかげで出会えた現地の人たち、イタリア人家族との楽しい会話、汗をかきながら2歳の息子と二人で一緒に食べたピザ。
これこそが旅の醍醐味なのかもしれません。
助けてくれたご家族は地元の方々だったので、前回の記事で紹介したようなおすすめの街を色々教えてもらいました。
Modica(モディカ)やSicli(シクリ)は両方とも、バロック建築の建物が立ち並ぶすごく可愛い街で、彼らに会わなかったら出会えてなかったと思います。
また、この経験を通して、改めて語学は“会話のためのスキル”ではなく、“人と心を通わせるための鍵”なんだなとしみじみ思いました。
少しでもその国の言葉が話せると、人との繋がり方も体験の深みもまったく違います。
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Written by Towami(ドイツ)