大好きなプーリア地方南部サレントの街レッチェにある美しい大聖堂
こんにちは、ドイツ在住のTowamiです。今回のコラムは、「現地に住まずに、その言語を話す人と付き合ったり結婚もせずに」イタリア語を習得した方法のつづきです。【前編】はこちらから。
2021年にドイツ語の試験が終わったところで、「イタリア語も試験を受けたい!」と思いました。
そこで、試験用の参考書や模試を買って準備を始め、模試を解いて、回答を見ても理解できない部分をオンラインレッスンの先生に質問をしたり、筆記試験の書いたものを見てもらったりしました。
筆記は他にも、オンラインで無料でネイティブのユーザが直し合うプラットフォーム「Hinative」もたくさん利用し、体系的な勉強法に変えて、同年6月の試験に臨みました。
試験はドイツのフランクフルトにあるイタリア領事館で受けたのですが、「まさにイタリア!」という感じで面白かったです。
時間になっても担当者がまだ到着しなかったり、試験中に領事館の方々が「頑張って!力つけなきゃ!」と言いながら、たくさんイタリアのチョコレートを持ってきてくれたり・・。
前日は緊張して3時間ぐらいしか眠れず、その上、リスニング、読解、文法、筆記、会話と5時間ぐらいぶっ続けの試験で本当に辛かったですが、「ああ、私はこの体験でもっとイタリアが好きになっていく運命なのだ・・」などと一人で思ったことを覚えています。
イタリアのお菓子屋さん
私はイタリア語を学んだことで、世界が本当に広がったと感じています。
イタリアへは出張でたまに行くくらいで自分と関係がないし、そこまで関心がなかった言語だったのですが、イタリア語ができるようになってからはイタリアの文化に関心が高まり、色々調べるようになりました。
一人もいなかったイタリア人の友達はタンデム友達中心に増え、せっかく学んだものを使いたい一心でイタリア旅行に頻繁に行くようになりました。
実は夫のお父様が心も文化も言葉も生粋のフランス人なのですが、イタリア移民二世で、その義父の家族を、産休中に生後3ヶ月の息子と夫とで行った2ヶ月間の南イタリアの旅の帰りに訪ねたりもしました。
夫の祖父がイタリア人で、第二次世界大戦後敗戦後に仕事を探しにフランスへ移住。その後、夫の父親がフランスで生まれました。
夫の祖父母は「息子をフランスに馴染ませて、フランス人のように育ててあげたい」という強い意志で、なんと家族の間でもフランス語だけで話していたとか。
ご両親は片言のフランス語で、とにかく息子にフランス人として生きて欲しかったようです。ですので夫の父は、イタリア語は少し大きくなってから自分で学んだようです。
フランス人の夫は「イタリア語を話す君がいなかったら、思い切って普段連絡のないイタリアの家族を訪ねようとなんてしなかった。皆イタリア語しか話さないので」と言っていて、夫の家族を繋ぐ架け橋の役目も少し果たせたようです。
映画007の舞台にもなったバジリカータ州のマテーラ
ここまでご紹介したように、その国に住まずとも、その国の人と付き合ったり結婚したりせずに、縁もゆかりもない言語でも、しかもすべてオンラインでちゃんと学んで活かせるようになります。
この経験が、今外国語を学んでいらっしゃる皆さんへのモチベーションになったら幸いです。
勝手に結論づけますと、その言語を話す国に住んでいない語学の勉強で大事なことは以下だと思います。
①とにかく良い先生を選ぶ。先生のチョイスがその後のやる気と理解の深さを決めるすべて。
②とにかく最低週に1回は話す機会ができるように、マンツーマンオンラインレッスンやタンデムなどでスケジュールを組む。2回以上あればなお良い。
③試験を受ける。試験勉強で知識と理解に磨きがかかる。
他にもさまざまな語学を異なる環境で学んだ経験から、何か皆さんのお役に立ちそうな情報があるのではと思いますので、これからも色々とシェアしていきたいと思います。
Written by Towami(ドイツ)