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コロナ禍中での海外移住でも、築ける人間関係

2021年1月28日
高見節佳 (デンマーク)

2020という年のデンマーク移住

皆様はじめまして、高見節佳と申します。居住するデンマークと夫の出身国スウェーデンを行き来しつつ、コラムをお届けできればと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

実は移住してほんの5ヶ月という北欧初心者です。

新型コロナウイルス感染症の影響により世界中で全てが変わる中、予定よりも数ヶ月遅れでデンマークへ渡航できたのは昨年9月でした。

その頃から公共交通機関などでのマスク着用義務、集会制限など規制は徐々に増え続け、クリスマス以降は遂にマイルドロックダウンが実施されました。お店は食料品店と薬局以外クローズしています。

ただし散歩などの外出は基本的に自由なので、それほど閉塞感はありません。

また居住者はCPRナンバー(日本でのマイナンバーに相当します)システムの活用により、多くの手続きが自宅からオンラインで申請可能。

新型コロナウイルス感染症に関しても、気になる症状があったり職場で必要などであれば無料でPCR検査を受けられる場所も増設されていて、その結果もオンラインで確認可能です。

そのため無理な外出や長い待ち時間に困ることもあまりなく、人との接触を避けられることにもつながり、比較的落ち着いた自宅時間を過ごせています。

 

出逢いはいつでもどこにでもある

コペンハーゲン市庁舎からの眺望

そんな中でよく頂くのが「こんな時に移住したらお友達もできないから寂しいでしょう?」というご質問です。

これまでなら趣味のスクールに通ったり、夫の家族や友人、ご近所の方など、招き招かれ交友関係を増やせましたが、現状では夢のまた夢。

現地での就職もひとつの方法ながら、私の場合は既に仕事があり、移住後は全てをオンラインに変更しました。

ですので日本の方だけでなくデンマーク、それもご近所の生徒様とすら直接お会いしてお茶をしたりということもありません。

一般的なイメージでのお友達を作る機会はなかなかないのですが、離れて暮らす家族の手に触れることができないのは日本にいても同じこと。

逆にバリエーションの増えたオンライン通話などで、ゆっくり話せる機会が増えた気もします。

ブログやInstagramなどからコンタクトを下さる方も多く、スマホの中にも素敵な出逢いはたくさんあることを実感しています。

 

キーワードは「好奇心」聞きたい気持ちを大切に

コペンハーゲン中心街にある食材市場

そんな中で直接お会いして会話をする機会があるのは食品専門店の方々です。

食べることは生きること。週に数回買い出しに出かける食材市場では、その国の多くのことを学べます。市場のない場所なら魚屋や紅茶店など専門店もおすすめです。

もともと人見知りの私でも、食については聞きたい気持ちが一人勝ち。

扱う商品や文化に興味を持ってもらえたことを嬉しく感じない方はいません。たとえ一言も言葉が理解できない国でだって、興味のある目線を送れば「美味しいよ!」的なジェスチャーをしてくれたり。

「どの牡蠣がいいかな」→「今日は3種類食べ比べがおすすめ。これは〇〇産で…」
「このお茶が気になるなぁ」→「 食事とも相性が良いよ。例えば…」

そんなところから始まって、次に訪れた時には感想を伝えたり、「今度はもう少し濃い(薄い)味も試してみたい」などフィードバックをすることで更に幅が広がります。

「今日は前回よりも風味の濃い牡蠣が入ってるけど試してみる?」「このお茶は我が家で10年以上飲んでいて…」更には「日本ではどんな食べ方をするの?」とこちらへの質問が来ることも。

混んでいる時などはサクッと退散しますが、熱く語って下さる想いはしっかり受け止めて。一を尋ねれば十が返ってくる、プロフェッショナルな彼等とのやりとりはとても有意義なひとときです。

お茶や食事を囲む機会はなくても、「美味しそう」「これは何だろう」そんな好奇心さえあれば、人との関係は築いて行けるはず。

これからもコミュニケーションを楽しんでいこうと思います。

Written by 高見節佳(デンマーク)

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