
皆さんこんにちは、ブラジル帰りのキャリアコンサルタント、マリです。世界中どこにいても輝けるキャリア&ライフを応援します。
本帰国して3か月が経とうとしています。例のリバースカルチャーショックがうっすら覆っていて、まだ何だかふわふわしています。それでも一つ大仕事をしました!引っ越しです。
渡伯時、我が家は船便はおろか、航空便すら出さずに赴任しました。「現地調達」を合言葉に、単身赴任した夫も、2年後に合流した私も、それぞれスーツケース2つだけで発ちました。
幸い会社で家具や家電はリースできたので、それを利用しました。大物を日本から運ぶ必要はなく、狭い留守宅に大抵のものを押し込んで、ブラジル生活を始めました。
時々「いつかなんとかしなくちゃ」と脳裏に浮かぶ憂鬱な気持ちを先送りにしつつ、3年の月日が過ぎ、ついに現実と向き合う時がやって来ました。
帰国と同時に新しい家で生活をスタートし、「あの部屋どうしよう」と言う私の呟きに、夫は「しばらく放っておけば」と言いますが、やっぱり頼りになるのは自分だけ!俄然エンジンが掛かりました。
「人に貸す」「自分の仕事場にする」の二択です。貸すならリフォームが必要で、それなりにお金が掛かります。費用が回収できなかったら、元も子も有りません。
勘と運だけを頼りに生きてきた私も、ここはちゃんと考えねばなりません。

「賃貸に出すとしたらということで、見積もりお願いできますか?」と、最初にコンタクトを取ったのは、管理会社の不動産部門でした。
壁のクロス、水回りの水栓、レンジフードは交換ですが、フローリングはクリーニングで対応、エアコンや給湯器が比較的新しかったので、見積もりは予想より低めの金額。「よし、やるか!」と覚悟を決めました。
次は引っ越しの手配です。こちらも検討がつかないので、相見積もり取ることにしました。今は同時に数社へ発信できるサービスがあるので便利ですね。
場所、部屋の大きさ、家族の人数、連絡先、集合住宅の場合は階数とエレベーターの有無などを入力すると、同時に6社の見積もりが取れる仕組みです。
翌日から私の携帯は、引っ越し屋さんからの電話で鳴りっぱなし。やはり、大手S社とA社は対応早いです。
分かったのは、「平日」「時間指定なし」「自分で荷造り」これがコストをセーブする基本です。さらに、「3、4月(9、10月も)を避けるが鉄則」「月末は外して、月中頃〜25,6日くらいまで」がコツなようです。
費用には引っ越しそのものにかかる代金と、不用品回収にかかる費用の二つがあります。
日本には家電法という法律があって、冷蔵庫、TV、洗濯機、エアコンの4種を廃棄するには、国で決められた金額を払わなくてはならない事も分かりました。
処分には廃棄料プラス運搬費用が必要で、冷蔵庫の場合は約8000円。大物家電の処分が次の課題となりました。

引き取ってもらった品々
今はアプリなどで売る方法もあるのでしょうが、私はまず「自分の友達とその友達くらいの範囲で貰ってれる人いないかなぁ〜」と考えました。
LINEで50〜60人に「送料負担してくれたら差し上げます」と、冷蔵庫と36インチ液晶テレビの情報を発信してみると、全て送り終わらないうちに、「ください」「家族に訊いてみます」というお返事が続々と来ました。
その後、ホットカーペット、除湿器、ミニ本棚、ガーメントバッグ、キャディーバッグカバー、ゴルフボールなど、お友達各位のご協力により、続々と引き取り手が決まりました。家電を早く引き取って貰えたのは助かりました。
ちなみに、ネコでお馴染みの業者さんが「家財便」というのをやっていて、何でもどこへでも運んでくれます。テレビは関西まで5000円で、冷蔵庫は埼玉まで1万円で、それぞれ無事に届きました。
洋服のはぎれ布や替ボタンは、使い古しのタオル、紙袋、石鹸、ハンドクリームなどと共に、学童施設で活用される事になりました。
人の使ったものって、やはり誰が使ったかと言うのも大切なのかも。「誰が」と言うところにキーワードがあるとしたら、仕事も同じだと思いました。

大手S社とA社は、お互いの金額を探ってきました。A社は若い女性の営業さんが、わざわざ見積もりに来ました。でもこの2社は不用品の処分はできないので、区の粗大ゴミセンターや提携の廃品業者を紹介されました。
一辺の長さが30センチを超えるものは全て粗大ゴミです。廃品業者に見積もりを取ると、かなりの金額が提示されました。布団などはそのまま捨てず、小さく切って捨てる事にしました。
区内のコンビニでシールを買って、指定の日に貼って出せば持って行ってくれる公共の粗大ゴミ回収の方は、400円程度なので費用としては格安です。しかし、テーブルなど大きな物を自力でゴミ置き場まで運ぶのは流石に不可能です。
ちょうど、S社とA社の間にあまり聞いた事のない会社からも連絡がありました。引っ越し費用そのものは、他の2社とほぼ同額でしたが、不用品の処分について相談すると、電話口の女性はテキパキとどんなものがあるのかを確認されました。
大型家電は含まないことを伝えると、「少しお待ち下さい」と何やら計算しているよう。「○○円でいかがでしょうか?全てお引き取りして処分致します!」とキッパリ言いました。
「やってくれるんだ〜」と心で呟きつつ、その会社を検索すると、埼玉県にある中堅の引越し業者であることが分かりました。
日程の希望を伝えると、またキッパリ「○月○日、時間指定なしで、いかがでしようか?」と、週のど真ん中水曜日を指定してきました。
「これはできます」「これはできません」とハッキリ言った上で、まるで大決断したかのように「これで、マルっと私共にまとめてお任せ下さい!」と言われ、お願いする事にしました。

処分した物たち
全ての作業にどれくらいの時間がかかるのか検討がつきませんでしたが、「とりあえず1か月でやり切ろう!」と目標を立て、段ボールを届けてもらったその日から片付けを始めました。
小型家電は、区の粗大ゴミに出す事にしました。初めは片付けながら、その都度電話予約していましたが、これはちょっと失敗でした。
世間ではお家時間が増えた分、断捨離の民も増え、粗大ゴミセンターの予約は1か月先でないと取れない状況でした。
一つ予約して、「あ、これも追加で」と連絡してもその時はすでに遅くて、結局2週間にわたり3日間に分けて出す事になりました。計画性の無さに少し後悔。
大物処分の目処がたったので、仕分けしながら、同時に箱詰めを始めました。昔読んだ片付けの本に、服の選別は比較的ハードルが低いと書いてあったので、服からスタート。渡伯前に、ある程度整理していたのでこれは楽勝。
本はかなりの数でしたが、近くにできた小さな古本屋さんに取りに来てもらいました。CDやDVDは、買取チェーン店へスーツケースで運びました。
ぬいぐるみやお人形をそのまま捨てるのは抵抗があったので、2000円で段ボール一箱分ご供養して処分してくれるところを見つけました。昔使っていたスピーカーやオーディオ機器も、段ボールに詰めて送ったら引き取ってくれました。
「捨てる」という行為にお金がかかる中で、私は入出金がトントンだったのでかなりいい感じです。今は探せば何でも売れるんですね。

片付け前後の部屋
沢山のゴミが出ました。「これだけのもの、よくぞ家の中にあったものだ」と我ながら呆れました。曜日を見ながら不燃ゴミや雑誌類などをちょこちょこ出しました。
懐かしいものもたくさん出てきました。昔の写真などはついつい手が止まり、写ってる人達へLINEで送ると、みんなコメントを送ってきて、しばしタイムスリップ。
極め付けは、若い頃の母と亡くなった祖母と2歳くらいの私の写真。母にも見せたら何度も「可愛い、可愛い」と言いながら少しうるっとしてました。
仕事へ行くように毎日片付けをして、1か月でやっと片付きました。途中、心が折れそうになりましたが、「これは単なる片付けではなく、新規事業立ち上げ」と自分に言い聞かせ、鼓舞しました。
引っ越しの日は、ちょっと暑いくらいの一日。プロの引っ越し屋さんのお陰で、1時間ちょっとで搬出→積荷→移動→搬入が終わるという手際の良さ。
さすが、日本です!ブラジルの引っ越し屋さんも頑張ってはいたけど、タラタラやってましたもの。同じ駅のこっちからあっちへの近距離移動で楽でしたが、引っ越しって距離に関係なく準備は一緒ですよね。
しかし、思いの他、荷解きに手間が掛かりました。吟味して捨てたはずでも、また捨てる。
断捨離、引っ越しの中で、働き方のコツをちょっと思い出しました。日本の労働市場へ戻るための、貴重なウォーミングアップとなりました。達成感!

Written by 岩井真理(日本)