私の住んでいるデュッセルドルフは、ヨーロッパの小さな日本と言われる程日本人の数が多く、日系のレストランでは日本語が通じることも多々あります。
確かに日本語と英語だけで生きていける環境とも言えますが、町の標識や看板、目に入るものは全てドイツ語。スーパーやお店でもドイツ語で話しかけられます。
ドイツ語が出来たほうが得られる情報量も多いし、ドイツ人の友達もできる!より楽しいドイツ生活が送れますよね。
というわけで、今回はドイツの言語学習法をご紹介します!
ドイツでは語学を学ぶ時によく「タンデムパートナーを作るのが良いよ」と言われます。
タンデム学習とは母語の異なる二人が互いの言語を学び合う学習形態のことで、「互恵性」と「学習者オートノミー」の二つを原則としている。(引用元:小林浩明「タンデム学習の意義と可能性」北九州市立大学国際論集 2016, p.135)
「互恵性」とは互いに利益を与え合うこと「オートノミー(autonomy)」とは自主性のことです。
「互いに教え合う」という点で、言語交換(Language exchange)と似ています。しかし言語交換と異なるのは、タンデム学習は学習者が「自主的に学ぶ」という点。
ここでいう自主的に学ぶというのは、自分で「何をどのように学ぶか」「学習パートナーにどのように学習を助けてもらうのか」を決め、学習を自分で管理すること。
実をいうと、私は最近までタンデム学習を「単にペアでお互いの会話の練習をすること」だと間違って理解していました。もちろんそれでも会話の練習にはなりますが、長続きはしませんでした。
タンデム学習の効果は、学習者の自主性を伸ばし、そのことが学習モチベーションの維持と向上につながるという点だったのです。
確かに私の過去のタンデムパートナー達は色々な日本語の疑問を投げかけてくる人が多かったです。
タンデム学習はヨーロッパの大学でもよく用いられる学習法なので、タンデムパートナー達はタンデム学習を正しく理解して、日本語を自分のものにしていたのだと思います。
タンデム学習のポイントは、自分が学びたいこと(会話の練習、語彙を増やす、発音の矯正など)を明確にし、相手に助けてもらいながら学び、それが出来るようになったか進捗状況を自分で随時確認しながら学習を進めていくこと。
皆さんもこれを少し意識をするだけで大きな学習効果が期待できるはず!
シュタムティッシュ(Stammtisch)とは、決まった日(例えば毎月第一木曜日など)に決まったレストランやバーに集い、食事や飲み物を取りながら、自由におしゃべりを楽しむドイツのどの町にも見られるサークルです。
日本語を勉強しているドイツ人と日本人が集まる日独シュタムティッシュもドイツの色んな町で開催されており、それに参加するとドイツ人の知り合いを増やすことができます。
私が留学していた時も現地の日本語学科の学生たちが日独シュタムティッシュを開催しており、私も毎月のように参加していたし、そこでタンデムパートナーを見つけることもできました。
参加方法は簡単。事前に参加予約等は必要ないし、ただその日のその時間に指定されたレストランへ行くだけ。参加する人は毎回少しずつ変わるので何度行っても新しい参加者と知り合うことができます。
今では世界中にメンバーがいるMeetupというコミュニティのプラットフォームサービスも存在し、その地域の人たちが興味やトピック、テーマごとにコミュニティを作り、交流会に参加することができます。
これはドイツだけでなく世界中で催されているので、興味のある交流会に参加して、現地の友達を作ったり、言語学習に役立てることもできます。
(次ページへつづく)
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