言葉の壁、海外在住の方なら全員が経験していると思います。(もちろん帰国子女の様に小さい頃海外に長く住んで居た方等は別にしてね。)
言葉の壁を乗り越えるのに大切なのは、
「諦めずにコツコツ勉強する事」
「自分に自信を持つ事」
「一生勉強と考えて、続ける事」
「習うより慣れろで、とにかく喋る事」等々。
色々言われていますね。
私自身も試したり、考えたり、勉強したりしましたが、最近思うのが、言語や発音や勉強法とは全く関係なく、日本人が英語を喋れないのは、日本文化の影響が強いのではないか?と思う様になりました。
喋れないと書きましたが、英語圏に長く住んで居て、英語に不自由は無く生活出来ている日本人は沢山居ます。でもその方達にお聞きしても「英語は出来ない」とおっしゃるのです。
いえいえ、出来などころじゃなく、もちろんちゃんと喋れていますし、問題がある訳では全くありません。謙虚さからそう言って居るのか?とも思いましたが、そうでも無さそうです。
そこで色々見聞きして行く内に私が思ったのが、「日本文化の影響で英語が思う様に喋れない」のではないかという事。
第一、「発言力」「自己主張」と言った自分の意見を発言する事に欠ける、弱い、慣れていないという事。
第二、「思考力」「意志力」「異なる意見」独自の意見や違う意見を持つのが苦手な民族で、全員一緒に慣れている。
第三、「恥ずかしい」「恥の文化」単にシャイと言うより、間違えたら恥ずかしい、とか ちゃんと出来なきゃみっともないと感じる事。
第四、「完璧主義」「正確さ」の様な文化。 1つ間違えると減点されて行くような感覚を持って居て正しいと確信できないと喋れない。。
第五、「謙虚さ」「出しゃばらず」「控えめ」を良しとする文化。多人数での会話の時に、我先にとは話しません。
第六、「あうんの文化」「空気を読む」「言わなくても分かり合える」文化。 国内では重要な文化ですが、海外では別。
これらが合わされば、英語自体には問題は無いのだけれど、例えば大勢の会話の中では、なかなか自分を出し難い。それが徐々にその場に居ずらさを感じ、面倒にもなる。
よく海外では夫婦での集まりも多いのですが、そんな場に出て行くのも楽しくない、それが重なれば辛くなったり。引きこもりとまでは行かなくても、自ら進んで会話をしよう、とか、集団や会話の中に入ろうはしなくなる感じです。
実際には英語での生活自体に問題が無くなるのは、最初の数年で大丈夫になっても、そのままの状態が長く続くと、自分は英語が出来ない、得意ではない、上達しないと感じ、自分が思い描き、望むより自分自身の英語力を認められない状態になるのだと思います。
つまり、「言葉の壁を乗り越えるには、日本文化の壁を乗り越える必要がある」という事になります。
けれど実はそんな時、自分のアイデンティティが揺らぎ、それはそれでまた居心地が悪いのです。自分らしく無い自分で生きている感じだからです。
それでも謙虚さと正確さと恥の文化を頑張って押さえても、何を話していいか分からない、、の様な、自分の意見を持って話す事になるのは、勇気だけでは乗り越えられない物もありそうです。
ここまで書くと、「やっぱり英語は無理」となりそうですが、1つの対策はもう逃げずにその場に居る。腹筋を鍛えるかのように、言語だけでは無い、海外筋(笑)を鍛える。そして やはり諦めずにコツコツ学ぶ。
日本に住まなくなれば、新しい日本語も知らなかったり、忘れたりするものです。ですから、海外に居るという事は、その逆で常にその国の事を学びながら過ごす必要がありますね。
後はAIやテクノロジーが発達して早く翻訳機の性能が上がる事を祈るか?!
さて、皆さんはどうしますか?
Written by 美子フィッシャー