皆さんこんにちは。インドネシア在住の杏子スパルディです。今回は、インドネシアの会社員の福利厚生や職場文化について紹介します。
私自身日本での社会人経験がほとんどなく、詳しくはありませんが、ここでご紹介する福利厚生はおそらく日本にはないものだと思います。もしくはあってもあまり一般的でなかったり、まだまだ実際には使われていないのではないかと。
まず一つ目はいきなりですが、割礼手当です。イスラム教では男児の割礼はお祝い事です。子供が割礼する時に会社から手当が出たり、社内で同僚や上司からお祝い金を渡したりします。
結婚の際にも会社からお祝い金が出るのですが、それには条件がついていて、「正式な(第一夫人)のみ」と記載されています。現代では少ないかもしれませんが、イスラム教では一夫多妻制が認められているためです。
また、有給休暇とは別に、メッカ巡礼のための休暇が認められる会社もあります。
女性に与えられる生理休暇は、最長二日までは有給でお休みがもらえます。最近は日本でも取り入れている企業もあると聞きますが、上司が男性の場合、伝えにくいということもあるかもしれませんね。
その点インドネシア、特にイスラムでは、生理中の女性はお祈りや断食ができないので、家族や友人に自分が生理であると伝えることに抵抗がない人が一般的だと思います。
他にもユニークな手当といえば、眼鏡手当です。眼鏡を新しく買う時に、単価の上限は決まっていますが、会社からの負担があります。「フレームはいくら」「レンズはいくら」など、細かく詳細が決められています。
次は福利厚生や手当ではないのですが、インドネシア人が会社を休んだり、遅刻・早退をする、日本では考えにくい理由についてです。
バイク通勤が多いインドネシア。通勤時に雨が降ると、屋根があるところで雨宿りをする人が多いのですが、道路が冠水してしまうと身動きが取れなくなり、定時に出勤できなくなってしまいます。
また、インドネシアでは雨季にちょっとまとまった雨が降ると、あちらこちらで洪水が起こります。家が床上浸水してしまう人も多く、親戚の家に避難したり、浸水が落ち着いてから家の片づけをしたりと、数日会社を休む人もいます。
そんな時もインドネシア人たちは社内で従業員同士で募金を募ったりして、洪水の被害にあった同僚に渡したりします。
そして、とても多い欠勤や遅刻の理由は、「奥さんのため」です。奥さんが妊婦検診に行くのに付き添う人も多いです。「え?」と思うかもしれませんが、これには理由があります。
インドネシアでは、自家用車を持っていない家庭も多く、旦那さんが奥さんを病院に送っていきます。病院に着いてからも待ち時間がとても長いので、それに付き合うのです。
病院に行かなくても、奥さんが家で体調不良だと家や子供のことができないので、会社を休んで奥さんのヘルプをする男性も多いです。
家庭の事情で言うと、「家電が壊れた」というのもよくあります。なぜだかわからないのですが、我が家も含め、よく物が壊れます。欠勤の理由としては「洗濯機が壊れて奥さんが洗濯できないので、直してから出社します」など。
家庭での水道は地下から水を電動ポンプでくみ上げる家庭が多いので、「ポンプが壊れたので休みます(自分で直します)」というのもあります。
いかがでしたか?日本ではおそらく認められない理由ばかりではないでしょうか。日本以外の国ではどうでしょうか?また違う独特の福利厚生や欠勤理由があるかもしれませんね。
Written by 杏子スパルディ(インドネシア)