海外生活をしていると、現地の人とのコミュニケーションをどうやって図ればいいのだろう?と考えることがあります。そんな時のちょっとしたヒントになれば嬉しいです。
中国に来て2ヶ月目ぐらいの頃、友達を作りたい一心で思い切って広東料理のワークショップに参加しましたが、言葉が全て広東語で一つも聞き取ることができませんでした。
周りを見渡すと、他の人はバシバシ写真を撮っていたので、「じゃあ私も」と思ってカメラを先生のスライドに向けた時、怒鳴り気味で注意されたんです。
「なんで私だけ写真撮ってはいけないんだろう?」と不思議に思いました。
後に主催者の方から聞いた話では、実はその先生のお父様が日中戦争時代に日本人に殺されたので、日本人が大嫌いということでした。
先生はまさか日本人が来るとは思っていなかったのでびっくりされていたそうで、私が写真撮る行為がスパイだと思ったらしいのです。
私には台湾で一年留学生活を送っていた経験があります。
台湾では留学生ということもあって、友達を作るきっかけがたくさんあり、たくさんの良い友達に恵まれました。
大阪で生まれ育ち、お世話を焼かれる事に慣れていた私は、台湾でもおじちゃんおばちゃん、友達にいっぱいお世話を焼いてもらって、可愛がってもらって生活していました。
日本人が嫌いな人も居たかもしれませんが、1人も出会う事がなかったのでとてもびっくりしました。
日本人や日本が嫌いな人と初めて出会い、正直戸惑いましたが、こういう人も居るんだと分かった事で、日本と中国について調べてみようとか、今まで全く興味のなかった歴史を勉強しようという気持ちになりました。
では、どのようにして現地の人と心地よく付き合っていけばいいのでしょうか?
私も今もまだまだ模索中ですが、その中で見つけたポイントを3つ挙げてみたいと思います。
現地の世界に思い切って入って行くことです。それはなんでもいいと思います。
中国語を勉強したり、中国テレビやドラマ、映画を見たり、現地の食べ物を食べたり、作ったり、ショッピングに出かけ歩き方、お化粧、流行りを観察したり、歴史博物館に行ったり。
実際に現地の人と少しでも交流できる場所やツールやSNSでもいいので、とにかく何かで関わってみると、「あっここはこうするんだ」と思いもしない所に発見があります。
冒頭に書いたように日本人が嫌いという人もいますが、日本にも色んな意見を持った人がいるようにこの大きな中国でも色んな人がいて当たり前。
日本人と聞いて、嫌な顔をする人はとても少なく、年齢問わず興味を持って日本の事を聞いてくれる人が大多数のように感じます。
最初は中々話を広げる事ができなかったのですが、最近は初めて会った人との会話でも、中国の好きな所を気軽に自分から話すようになりました。
自国のどんな所が好きかを聞くと誰でも嬉しく思いますよね。
ちなみに私は「広東料理の味付けが日本と似てて、大好きだよ」「デリバリーやお会計が発達していてとても便利だよね」「中国語の四文字熟語って難しいけど、興味があって勉強してるよ」などなど、、、。
自分の思うその国の好きな所を伝える事で会話が弾み、また新しい事が知れて、より知識が深まります。
2019年の9月の中秋の名月の日。知り合いの日本料理屋を営むオーナーさんとそのお友達とご飯を食べている時の事です。
「日本と中国の政治についてどう思う?」と聞かれ、その当時思っていた事を言いました。すると、反撃するかのように「日本のここはダメだ、中国はどうだこうだ」と聞いてる内に腹が立ってきました。
言い返したいが言葉の壁がありなんと言い返せばいいのかもわからず、帰りの電車で大泣きしながら日本人の友達に電話をかけて慰めてもらった事がありました。今考えるとちょっと笑っちゃいます。
年配の方と話す時は少し注意が必要です。
「中国をどうように思っていますか?(政治的な面で)」「中国の毛沢東は知っていますか?」など、少し答えにくい話が出た時は、すかさず笑顔で中国のこんな所が好きだよと伝えたり、さっと失礼のないように席を外すようにしています。
その国に住んでいる以上、その国の批判となるような発言はあまりよくありませんし、お互い気持ちよく過ごしたいものです。
こうして色んな人と関わる事で、悩むこともたくさんありますが、全てが自分に必要な学びだと捉え日々前進できたら嬉しいですよね。
2021年も笑顔でニーハオ!
Written by MOKO(中国)