皆さんこんにちは、ブラジル帰りのキャリアコンサルタント・マリです。世界中どこにいても輝けるキャリア&ライフを応援します。
このコラムでは以前に「ジョハリの窓」のお話をしました。
オープンマインドを心掛け、自己開示をすれば、他者からのフィードバックが受けられ、それを素直に受け入れることにより、自分の知らない自分を見つけることができ、心の成長が起こり、自分らしい選択肢を得る手がかりになる、という話でした。
今回はさらに、この「自分を知る」ことの大切さについて、お話したいと思います。
私は仕事柄、クライアントからよくこんなことを訊かれます。「私に合った仕事って、何ですか?」
そこで、「それでは、あなたはどんな人ですか?」とお尋ねします。すると大抵は、「うーん、それがよく分からないんですよ」という答えが返ってきます。
そうなんです、本当に自分のことって、よくわからないのです。正直、普段の生活の中で、私達は自分のことを掘り下げるという事をあまりしてこなかったと思います。
自己紹介をするような場面になると、何を話していいのか分からず、当たり障りのないことを言うので、印象に残らないこともしばしばではないでしょうか。
しかし、香港やブラジルにいた頃、香港人もブラジル人も、実に自分のことを上手に語るなぁと感心しました。
間違いなく彼らは自己肯定感が高く、自信満々のコメントも多いのですが、自分に対する捉え方も曖昧で、謙遜だらけの日本人とは明らかに違うのだな、と思いました。
その理由の一つとして、以下のことが考えられます。
私達日本人は、ハイコンテクスト(high-context)カルチャーの中で生きています。
コミュニケーションや意思疎通を図るときに、前提となる言語や価値観、考え方などが似ている、民族性、経済力、文化度などが近い、例えば単一民族などが集まっている状態です。
似ているので、お互いに相手の意図を察し合い「以心伝心」でなんとなく通じてしまう環境であり、「空気を読む」とか「出過ぎない」というような理解が重視される、そんな文化の中にいます。
対して、より言語に依存したコミュニケーション文化のことをローコンテクスト(low-context)カルチャーと言います。
他民族国家や移民の多い国では、「言わなければ伝わらない」が前提なので、日頃から気軽に挨拶を交わしたり、スモールトークを通して、「私はあなたの敵ではないよ」というメッセージを発信してます。
異なる民族や文化持つブラジルの人達は、確かにめちゃくちゃフレンドリーでした。気軽に話しかけて来るし、自分についても本当にたくさん、上手に語ります。
見た目や生活習慣が違っても、「安心して!」と言うメッセージを送り合うことで協調しているのですね。
私達日本人は、どこかで「言わなくても分かってくれるはず」という思い込みがある気がします。それが「自己理解」が進まない原因の一つかもしれません。
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