わたしは学生時代にカリフォルニア州へ移住して以来、20年近くアメリカで会社勤めをしています。
そんなものだから日本の雇用事情とか働き方に疎く、「働き方改革」関連の記事を読んだとき、「残業代がもうアテにできない」というくだりに驚きました。
というのも、こちらで正社員として雇用されるとまず完全年俸制なのです。
職種にもよるでしょうが、わたしは残業代が別途支給されたことはこれまでの会社員経験ではありません。つまり、残業をすればするほど自分で自分の時給を下げることに。
成果主義の文化で法的に即日解雇もアリな「at-will(アット・ウィル)」と呼ばれる雇用形態。いかに勤務時間内の生産性を上げるかは、クビのかかったシビアな闘いです。
今回は多国籍チームとの仕事で身につけた、国内でのやりとりにも応用可能な「残業しないための時短術」コミュニケーション編をお伝えします。
意外にも、頻繁にやりとりをするチームメンバーやお客様のプライムタイムを知らない場合って多いんです。
・何時ごろよく返事がくる、もしくは何時までなら返事をくれる人なのか
・相手の判断が必要な場合、その締め切り前後に祭日なり休暇が入ってないか
わたしは世間話をするチャンスを伺って「次の祭日はいつ?」「休暇の予定は?」など話題を振っては、Outlookのカレンダーに時間をブロックしない空白の予定を入れておきます。
そうするだけで「今日中にこの書類の承認欲しいのに○○さん休みだ!」というような事態を防げるようになりました。
リアルタイムで一緒に働いている人となら、チャットなどで実況中的なやりとりをすることもありますよね。
でも、相手の勤務時間外であったり休暇中にメールしなければならない場合は、極力1通にまとめるのがおススメです。
すぐに読んでもらえない情報を小出しに送るとこちらも手間だし、相手のことも混乱させてしまうんですよね。
今すぐ共有したいホットな情報だったとしても、相手がすぐに読めない状況ならタイミングでなくシンプルさを優先して日報風にすべてまとめて連絡します。
わたしは現在7ヵ国から編成されるチームと情報共有してますが、このアプローチが一番スムーズです。
これも意外や意外。日付を切らない人って多いんです。沖縄タイムってありますけど、時間間隔は地域や職種によって千差万別。
「なるはや(ASAP)」という言葉にしても、人によって思い浮かべる期間が違うんですよね。
昔、統計を読んだことあるのですが、セールスの人は「なるはや=数時間以内」と感じるのに対してエンジニアの人は「なるはや=数日以内」と感じるとか。かなり開きがあったのが印象的でした。
時間間隔は人それぞれという前提で、大まかでも「金曜までにお返事ください」とか「次回の会議までにまとめておいてください」など、「いつでも良いわけじゃない」というリマインダーを入れると効率が上がります。
自分にもスケジュールを切っているわけなので、返事の無いことにイラついたり、自分も忘れて期限が過ぎて時間をロスしたりということが起こりにくくなるんですよね。
地味ながらも確実に時短に繋がると経験的に言える3つのポイントをシェアしました。
参考になれば嬉しいです。次回もお楽しみに!
Written by 野田リエ(アメリカ)