
【前編】に続き、産後2ヶ月の赤ちゃんを連れて、ドイツからイタリアへ片道2000kmの旅をし、イタリア・プーリア地方で産後を過ごした時のことをご紹介します。
プーリア滞在中は、毎朝ビーチに行きます。お昼にアパートに戻りランチを取って、赤ちゃんにミルクをあげて休ませます。
午後またビーチに戻り、夜は時々周辺の素敵な街を車で訪ねたり、疲れていたらそのまま家でゆっくりして過ごします。
イタリアは大好きで何度も訪れていますが、今回赤ちゃんと初めて訪れたことで気づいたことがあります。
それは、「イタリアは超家族文化で、赤ちゃんに超超敏感である」ということです。
ビーチで赤ちゃんを連れていると、通り過ぎるほぼ全員が「可愛いね」「何歳?お名前は?」とどんどん話しかけてくれます。
老若男女問わず、ひいては13-15歳ぐらいの子までが赤ちゃんにうっとりして声をかけてくれます。
他の国でも他人の赤ちゃんを見て、「可愛いね〜」と微笑むことはあるかもしれませんが、イタリアの方々の赤ちゃん大好き具合は群を抜いていると感じます。
また、サレント地方のビーチは家族連れが圧倒的に多いです。結果的にビーチの治安が良く、盗難などのリスクも低いと感じます。

お友達になったナポリの家族の皆さんと彼らの借りているアパートでランチ
隣に座った子連れの家族と話して、家族ぐるみで仲良くなったりもします。私たちは毎朝ビーチの場所取りをする中で、ナポリから来た家族と仲良くなりました。
3世代の複数家族が一緒になった総勢15名ほどの超巨大家族グループで、その中の一人がちょうど私より1カ月早く出産したとのことで、ビーチで隣に座って話すうちに仲良くなりました。
結局、2週間ぐらいの間、毎日隣に座って話して、しまいにはランチに彼らが借りているアパートに招いてもらってナポリ料理を振る舞ってもらったり、そのお返しに主人が自慢のクレープを大量に作って、ビーチで振る舞ったりもしました。
また、ちょっとおしゃれなレストランに行っても、小さい赤ちゃんや子供を連れてベビーカーで来る人も多いです。
赤ちゃんが泣き出すこともありますが、みんな同じ状況なので動じません。サーバーの方がこぞってあやしてくれたりします。
そのうち、お客さん同士やサーバーの方々の間で赤ちゃんを通じて会話が始まり、コミュニケーションが広がったりします。
家族文化が根付いているからこそ、イタリア人の中では、赤ちゃんや子供の重要性が非常に高いのではと思います。個人的にとても素敵だと感じます。
ちなみに、今年の初めに日本に行った際に、お寿司屋さんに行きたくて予約をしようとしたら「未就学児立ち入り禁止」と書かれているところがいくつもあり、呆然としました。
これをイタリアやフランスでやったら、暴動が起こるでしょう。

実は、ずっとやってみたいと思っていたイタリアへの1カ月以上の滞在でしたが、いざ行こうとなると怖気付いてしまいました。
出産前は冒険的な旅行も大好きで、バックパック旅行やユースホステル暮らしも含めて79カ国も行っているぐらいなので、旅のためなら多少の不便は我慢してきた経験もあります。
ですが、産後の心も体もボロボロで大変だった期間を乗り越えて、やっと築き上げた心地よい日常生活やルーティンを壊すこと、変化を受け入れることが怖くなったのだと思います。
旅の予約を始めなくてはいけないタイミングになると、生まれて間もない乳児と一緒に、いつもと違う環境で心地よく過ごせるのか自信がなくなり、やっぱり行かない方がいいのではないかと思ってしまいました。
しかし、「エイヤ!」と勢いをつけて旅に出ることに!
結果としては、「なんだ、意外とできるじゃん」「変化も楽しめるじゃん」と、自分に対しても子供に対しても自信が付きました。
何が大変だったかというと、それは断トツで「出発前の準備」です。
赤ちゃんのものは、服から哺乳瓶、搾乳機、ベビーカーまで荷物がとにかく多いのです。それらの荷物をすべて車に積む時はまさにパズルのような大変さで、詰め込んだあとは車がぎっしりで自分自身も動けない状態になりました。
また、家の中で荷物を準備していると赤ちゃんが泣き出し、ミルクをあげて落ち着いてから準備再開。でも、すぐにまた泣き出すの繰り返しで準備がなかなか進みません。
結果、10時の出発予定は14時半出発に。ようやく出発したのも束の間、車の中で激しく泣き出して、「一体このまま進めるのか?」と不安にもなりました。
その日に経由する街、スイスのローザンヌで現地の友達と夕ご飯を食べる約束をしていたのですが、出発が遅かったことに加え、渋滞に3つも巻き込まれ、その日は結局会えませんでした。

「エイヤ!」と乳児と一緒に旅に出たおかげで、面白い発見がありました。
”ルーティンを辞めたこと”と「ホリデーという特別な状況だからしょうがない」と思えてしまう”ホリデー特別言い訳”の魔法で、「まあいっか」と小さいことが気にならなくなりました。
例えば、渋滞に巻き込まれてミルクを温めるためのお湯がなくなってしまった時。仕方なくミルクを常温であげたところ、いつものように飲んでくれて問題がなかったり。
心配していた搾乳も、決めていた3時間ごとにできなくなったけれど、「まぁいっか」と思えるようになったり。「この子とならできる」という信頼が増したのでした。
それより何より、子供が天使並みの良い子さを発揮してくれたのです!
長時間の車の中でも、遅い時間のレストランディナーでも、比較的静かでいてくれました。もちろん何回も泣きましたが、ミルクをあげたら泣き止むことが多く、本当に助けられました。
このロードトリップをきっかけに今に至るまで、子供とたくさんの車の旅をしていますが、今思えば生後2-3カ月の乳児の時は楽だったなと思います。
息子が6−9カ月ぐらいの時が、一番難しかったです。動けないことにとても抵抗があったようで、車に乗せる度に泣きました。1歳を過ぎた今は、また落ち着いていて車の中でも飄々としています。
次回は、プーリア滞在中に訪れた街の様子を紹介します。どうぞお楽しみに!
Written by Towami(ドイツ)