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社内に味方がいなくて疎外感、どうすれば人間関係が上手く築ける?

2024年11月4日
岩井真理 (日本)

日本在住30代Jさんのお悩み

このコラムでは、世界中の読者から寄せられた仕事やキャリアに関するお悩みに対して、キャリアコンサルタントの岩井真理さんにご回答いただいています。

【相談内容】

東京の日本企業で働いて3年目になります、30代の中国人女子Jです。

社内で人間関係を上手く構築できず、疎外感を感じています。上長に指示やアドバイスを求めても、的確なものをもらえないのに、ミスが発生するとすべて私が悪いと言われます。

仕事量も多く、残業することもよくあります。もっと効率的に仕事をしたくて会社のためを思って意見しても、真面目に聞いてもらえません。味方になってくれる人が誰もいないのが辛いです。

前の会社でも上長から嫌われたり、孤立したり、人間関係のストレスを抱えることが多いです。職場を変えたくて、転職活動を続けていますが、なかなか結果が出ません。

私はどうしたらいいでしょうか。

 

コンテクストの違いが疎外感の原因!?

【回答】

Jさん、こんにちは。現在、仕事上の人間関係にストレスを抱えていらっしゃるのですね。転職活動も結果が出ず、お困りですね。

「前の会社でも」とありますが、ご相談文からはどこのことか分かりかねますが、まずはコミュニケーションのスタイルについてお話しますね。

Jさんは、「コンテクスト(context)カルチャー」という言葉をご存知ですか?

コンテクストとは、背景や文脈を意味し、「共有されている文化的な背景の割合」が高いと「ハイコンテクスト」、低いと「ローコンテクスト」に分類されます。

お察しのように、日本はハイコンテクストカルチャーの国です。共有されている文化背景の割合が高く、共通認識があるため、言葉で示さなくてもなんとなくで意味が通じることが特徴です。

いわゆる、空気を読む、行間を読む、以心伝心など、「言わなくても分かるでしょ?」というコミュニケーションです。

例えば、Jさんの会社の上司が「Jさん、時間がある時で良いんだけど、この資料をまとめておいてくれないか?」と依頼してきたとします。

ハイコンテクストカルチャーでは、「そうは言うけど、きっと上司は早く欲しいのかも」と察して、時間がある時ではなくて今すぐか、なるべく早くその仕事に取り掛かります。

しかし、他の仕事もあって忙しいし、「時間がある時」と上司も言っていたので、その仕事は後回しにしていると、数日後に上司は「あの資料はできてる?」と催促してくるでしょう。

Jさんとしては、「時間がある時でいいと言っていたのに」とモヤモヤしますよね。

 

実は日本人同士でも多い、思い込みや勘違い

一方、ローコンテクスト文化とは、共有している背景が少ないので、言語によるコミュニケーションに重きを置きます。

複数の民族が集まっている、移民が多いなど、共通するバックグラウンドが少ない地域では、明確に「言葉」で示すことが重視されます。

日本人からすると直接的すぎる表現で、相手に失礼と感じる場合もあるでしょう。逆に、外国人にとって、日本で生活すると相手の意図が分かりにくいと感じる場面が多く、ニュアンスを理解しにくいですね。

Jさんが会社のためを思って意見することが、もしかしたらハイコンテクストカルチャーの日本人からすると、「言わないでも察してよ」という思いがあるかもしれません。

意見そのものがダメというより、コンテクストの違いが、Jさんの疎外感や辛さを生み出している可能性もありそうです。

とはいえ、実は日本人同士でも、世代、性別、立場、環境など異なれば、同じカルチャーに属しているとは言えず、完全に分かり合えているとは言えません。

思い込みや勘違いは日常茶飯事です。 ですので、仕事の場では特に、嫌味にならずにハッキリ伝えたり、確認したりする作業はとても大切だと考えます。

 

人間関係が上手くいくコミュニケーション方法とは?

そこでオススメしたいコミュニケーション法は、「アサーティブ(assertive)コミュニケーション」です。

本来は「自己主張する」という意味ですが、一方的に主張だけするのではなく、互いを尊重しながら適切な方法で意見を交わすコミュニケーションのことです。

中でも「DESC法」は、4つの段階に分けて気持ちを伝えることができ、実践に役立つ話し方です。

・Describe(描写):まず、事実を客観的に描写して伝える
・Express(表現):相手の気持ちを尊重しつつ、自分の気持ちを伝える
・Specify(提案):相手に望むことを丁寧に提案する
・Choose(選択):選択肢や代替案を示す

この方法で、先ほどの上司との会話をしてみましょう。

上司「資料のまとめできてる?」

Jさん「お急ぎだったのですね。申し訳ありません、他にも案件が立て込んでいて、まだやっておりません」(D)

「私としては、時間をとってゆっくりまとめてお渡ししたいと思っていました」(E)

「では、今やっている仕事は一旦中断し、そちらのまとめを先にやりたいので、今の仕事の期限を延ばしていただくことは可能でしょうか? または、お急ぎのようですので、まとめの仕事はどなたか他の方にお願いすることは可能でしょうか?」(S)

上司「それなら、今やっている仕事は来週までで良いので、まとめを先にやってください」(C)

という感じです。 Jさんは自分の主張ができ、最終的には上司に選択肢を委ねてきちんと指示を仰ぐことができました。

相手が日本人であろうとなかろうと、アサーティブコミュニケーションは、人間関係を良好に保つのにとても有効的な方法です。そして、ぜひ今後上司や同僚と話す時にお試しください。

人間関係やコミュニケーションの場では、まずこちらから心を開き、耳を傾けることが大切なのはご存知だと思います。その誠意ある態度がやがて信頼を生み、周囲がJさんをサポートしてくれるのではないでしょうか?

転職活動は、そうなってから考えてもいいかもしれませんね。応援しています。

Written by 岩井真理(日本)


真理さんのセッションを直接受けたい方は、aries.mariwai@gmail.comへご連絡お願いいたします。

コラムに掲載するお悩みは随時募集しています。真理さんのアドバイスを受けたい方は、お問い合わせフォームからご送付ください。


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