
Olá! ブラジル・サンパウロ在住のHIROMIです。
ブラジルでは日本の漫画やアニメが非常に人気です。これは、長年にわたる文化的な交流や日系ブラジル人の存在、テレビ放送の影響などが背景にあります。
世界最大の日系人口を持つ国の一つであり、約200万人以上の日系ブラジル人が住んでいます。このコミュニティが日本文化の普及に貢献してきました。
1980年代〜90年代にかけて、『ドラゴンボール』『聖闘士星矢(Cavaleiros do Zodíaco)』『幽☆遊☆白書』などが地上波で放送され、大ヒットしました。現在でも「懐かしのアニメ」として根強い人気があります。
また、ブラジル各地ではイベントや、「Anime Friends」や「CCXP」といった大型アニメコンベンションが毎年開催され、非常に多くのファンが集まります。コスプレ文化も盛んです。
マンガも広く流通しており、ポルトガル語に翻訳された作品が多数出版されています。書店やオンラインで『ナルト』『ワンピース』『進撃の巨人』などが入手でき、特に人気があります。
若者を中心にファンダムが形成されており、SNSやYouTube、NetflixやCrunchyrollといったストリーミングサービスを通じて、日本の最新アニメをすぐに視聴できる環境が整っています。
10代〜30代を中心にアニメファンが多いのが特徴です。

アニメ交響曲本番前に悟空のコスプレをしたマエストロと一緒に写真撮影
サンパウロで毎年開催される「Anime Friends」は、2024年の第20回記念イベントで14万人の来場者を記録しました。
イベントでは、日本からのアーティストによるライブ、コスプレコンテスト、アニメ上映、声優とのトークセッションなど、多彩なプログラムが展開され、ファンとの一体感が生まれています。
特に、アニメ『ナルト』の主題歌「Sign」を演奏したバンドFlowのステージでは、観客が一斉に合唱し、会場が熱狂に包まれました。
別の会場では、日本のロックバンドRADWIMPSが、2024年3月21日にサンパウロで初のブラジル公演を行い、「前前前世」「スパークル」「夢灯籠」など、『君の名は。』の楽曲を含むセットリストを披露し、会場には大勢のファンが集まりました。
そして、映画『すずめの戸締まり』の主題歌「すずめ」では、ゲストボーカルのToakaが登場し、感動的なパフォーマンスで会場を沸かせました。
2025年8月13日には、数多くのアニメ主題歌を歌うAdoがサンパウロで初のブラジル公演を行う予定で、かなり前から注目を浴びています。
他には、アニメ交響曲をブラジル最高峰のオーケストラの一つであるサンパウロ州立交響楽団をはじめ、他のオーケストラ団体やウインドオーケストラ団体が演奏することもあり、チケットがなかなか取れないほどの人気です。
このように、ブラジルのファンは日本のアニメやマンガに対して深い愛情を持っています。
特に、アニメの主題歌を日本語で合唱する姿や、コスプレを通じてキャラクターになりきる姿勢からは、日本のファンにも劣らない熱意が感じられます。
カラオケでも、アニメソングを歌うと周囲が一緒に合唱してくれたり、「一緒に歌おう!」と知らない人に誘われたりするなど、一期一会の出会いを体感することもできます。
このように、アニメやマンガを通じて日本語や日本文化に興味を持つ若者も多く、文化的な交流の架け橋となっているのです。

リベルダージにある書店には、日本語版とポルトガル語版の漫画本がたくさん並んでいます。
サンパウロ市の東洋人街リベルダージでは、東洋まつり、七夕まつり、「オタク=Geek」イベントが開催されており、アニメソングを歌うバンドの演奏やコスプレコンテストなども行われています。
南米最大といわれるサンパウロの日本まつりでもコスプレコンテストが開催されており、コスプレだけでなく小道具を自作して参加する人も多く、その気合いの入り方から熱意が伝わってきます。
また、カーニバルで有名なリオデジャネイロでは、2012年に学生たちによって結成された「Marcha Nerd」というカーニバルのストリートバンドが活動しています。
このバンドは、カーニバルの伝統的な音楽とオタク文化を融合させ、アニメやゲームのキャラクターに扮したパフォーマンスで観客を魅了しています。2018年のパレードでは、約1万人の観客を集めるなど、その人気は年々高まっています。
サンパウロ郊外でも、若者たちが中心となって開催されている「PerifaCon」というイベントが2019年から開催されています。
このイベントは、経済的な理由で大規模なコンベンションに参加できない人々にも、アニメやマンガ、ゲームなどの「オタク文化」を楽しむ機会を提供しています。
2023年には、なんと1万3000人以上が参加し、地域コミュニティの文化的な多様性と創造性が発揮されました。

第18回日本国際漫画賞で最優秀賞を受賞したHiro Kawahara氏と
2025年、第18回「International Manga Award(日本国際漫画賞)」で、日系ブラジル人のHiro Kawahara氏は『A Sereia da Floresta(森の人魚)』で最優秀賞を受賞しました。
これは日本国外の漫画家を対象とした賞で、ブラジル人が最優秀賞を受賞したのは初めての快挙です。この作品は14世紀のヨーロッパを舞台に、ペルシャの医師と人魚の交流を描いた幻想的な物語です。
11月には、マンガの聖地「トキワ荘」のミュージアムでHiro氏のマンガの一部が展示されることになっています。ここで私は通訳・翻訳の仕事をさせていただいています。
また、Hiro氏が出版している他のマンガが京都国際マンガミュージアムに寄贈されたので、そちらで読むこともできます。
ブラジル人の漫画家・アーティストはHiro氏以外にもいます。
Cassio Rideiro(カッシオ・ヒベイロ)氏はHiro氏と同じ第18回「International Manga Award」で、『Última Chamada para Deixar a Terra(地球を離れる最後の呼び出し)』が入賞しました。この作品は環境問題と人類の未来をテーマにしたSF作品で、国際的な評価を受けました。
他には、Guilherme Petreca(ギリェルメ・ペトレカ)氏が2019年の第13回「International Manga Award」で優秀賞を受賞しています。作品『Ye』は詩的なビジュアルと深いテーマ性で高く評価されました。
また、過去の「International Manga Award」では、以下のブラジル人アーティストも受賞しています。
・『Holy Avenger』のErica Awano(エリカ・アワノ)とMarcelo Cassaro(マルセロ・カッサロ)
・『Amarelo Seletivo』のRicardo Tayra(ヒカルド・タイラ)とTalessak(タレサック)
・『Reward』のKenji Okagawa(ケンジ・オカガワ)
・『Ritos de Passagem』のLucas Marques(ルーカス・マルケス)
・『Pequena Loja de Horrores』のRafaella Ryon(ハファエラ・ヒョン)
これらの作品は、ブラジルの多様な文化背景と日本の漫画スタイルを融合させた独自の表現で注目を集めました。ブラジルにおける漫画・アニメ文化の深い浸透と、ブラジル人アーティストの国際的な活躍を示しています。

ジャパンハウスで行われたHiro Kawahara氏のワークショップでは、鉛筆や消しゴムに日本を代表するペンブランドのPilotを使用。
戦略的対外発信の強化に向けた取り組みの一環として、外務省が世界3都市(サンパウロ、ロサンゼルス、ロンドン)に設置した対外発信拠点であるジャパンハウスでは、Hiro氏がマンガのワークショップを行いました。
私もワークショップに参加しましたが、参加者全員が熱心にHiro氏の話に耳を傾けていました。彼らの中から、世界に向けて魅力的な作品が生まれることが期待できます。
ブラジルはラテンアメリカの中でも特にアニメ・マンガ文化が根付いている国で、熱狂的なファンも多く、日本の作品がしっかりと愛されています。
また、多様な形でその愛情が表現されているので、ブラジル人の特徴である情熱的な性格がまさに前面に出ているのが分かり、興味深いです。
以上、現地から日本のアニメ・マンガ事情についてお知らせしました!今回も最後まで読んでいただき、Muito Obrigada!!!
Written by HIROMI(ブラジル)