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「日本を発見」教育福祉事業プロジェクトがブラジル公立学校に与えた影響

2023年11月27日
HIROMI (ブラジル)

日本のおもてなしと留学・奨学金制度について学ぶ生徒たち。画像提供:講師 内村カティア明美

ブラジルの公立学校に与えている影響は?

Olá! ブラジル・サンパウロ州在住のHIROMIです。今回は前回のコラム「ブラジル現地教育事情と公立学校での『日本を発見』教育福祉事業プロジェクト」の続きです。

教育福祉教育プロジェクト「Descobrindo o Japão 日本を発見」は、ブラジルの公立学校にどのような影響を与えているのでしょうか。

生徒たち、先生たちだけではなく、保護者にもアンケートを取り、感想をいただきました。

まず、生徒たちですが、はじめは携帯を触る生徒たちが多かったものの、折り紙、押し花絵など細かい作業をする授業や体験型の授業があり、授業内容に興味を持つようになってきた生徒たちが増え、携帯を見なくなったことが大きな成果ともいえるでしょう。

また、防犯対策アドバイスの授業を行った時は、生徒たちの危機管理能力を高めることができたのも良い傾向を与えました。

 

総合的な成長に大きく貢献する充実した経験

剣道ワークショップの様子

ブラジルは治安が悪いことは世界中でも有名です。しかし、ブラジルに生まれ育ち、自分が置かれている環境が当たり前なので危機管理能力は低いです。

授業では、携帯を盗まれないための防犯対策や被害に遭った時の対処法などを教え、自分の危機管理が低いことを知った生徒たちからたくさん質問がありました。

同時に家族を守るために生徒たちが積極的に家族や親戚に防犯対策アドバイスで習ったことを教えたといいます。

このように授業で教わったことを家でも話すことで、生徒たちだけではなく、保護者たちにも日本の教育文化に興味を持つ人たちが増えていきました。

先生たちからの感想は、まずプロジェクトを通して、日本の学習文化を自身の授業にも組み込むことができたことで、協調性、主体性、自己規制、創造性、共感、他者への敬意、積極性、多様性の尊重などの重要な社会感情スキルの発達を可能にしたといいます。

また、学生たちは日本文化のさまざまな側面について学び、日本人の偉大さをさらに尊重し、大切にすることを学び、それは生徒たちの総合的な成長に大きく貢献する充実した経験を得る機会をプロジェクトは与えていると、先生方から感想をいただきました。

 

プロジェクトの今後の展望

プロジェクト主宰の今井恵美氏が教える押し花絵ワークショップの様子

プロジェクトで提案された活動は、ほとんどが生徒全員が参加する実践的なものであり、より多くの社会的交流、積極的な傾聴と注意力、そして一般に社会感情的スキルが生徒に提供されました。

それはユニークなパートナーシップと経験の交換であり、誰にとっても非常に価値のあるものであり、さらにプロジェクト主宰の今井恵美氏は新入生、他の公立学校にこの機会を提供したいと考えています。

このプロジェクトへの参加により、公立学校の生徒達に多文化主義的なアプローチがもたらされ、他国の文化を受け入れる余地が開かれたのも事実です。

それは、知識と自己認識に基づいた人生を送ることが可能であることを示すことに専念する並外れた専門家との交流の瞬間を学生たちに提供されました。

彼らは文化と人生哲学を持ち込むことで、学生たちの現実を大きく変え、彼らの中に好奇心、世界への関心、自然観、そして異なる未来を持つ機会を目覚めさせることができたとのことです。

このようにプラスとなる感想をいただけるとは、喜ばしいことだと思います。

 

維持するために協同企業がもっと必要

日本の童謡を学ぶ生徒たちと講師の上辻照子氏

今回、コラムに書くために、プロジェクトに関して生徒、保護者、先生たちに感想を述べていただきたく、主宰の今井恵美氏にお願いしました。

実際はもっとたくさんの感想メッセージが送られてきたのですが、長くなりますので割愛させていただきます。

プロジェクトを通して、ブラジル人、非日系人である生徒たちや先生たちに与えた影響は素晴らしいものだと実感しました。

プロジェクトに関しては、現在ボランティアの先生たちが助け合い、授業を行っています。

より多くの人たちに知ってもらうためと、先生たちの協力を維持するためにはお金と時間が必要です。

現在、いくつかの企業がスポンサーになっていますが、ボランティアの先生たちへの交通費支給など協同してくださる企業はもっと必要だと主宰の今井恵美氏は語っていました。

最後となりますが、生まれ育った日本の教育に関して思うことはたくさんありますが、私は日本人として、日本の反対側にあるブラジルの地域社会に関わり、子どもたちの情緒や社会性育むプロジェクトに協同できていることを大変光栄だと思っています。

子どもたち、先生たちには、西洋文化にはない重要な拠点を日本文化から学んでいただき、子どもたちは誤った道へ行かず、自信を持って人生を歩めるようになってほしいと私は思っています。

今回も読んでくださって、Muito Obrigada!! Até mais! Tchau!!!

Written by HIROMI(ブラジル)

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