日伯友好交流チャリティーコンサートでイベント主催者として挨拶
Olá!! ブラジル、サンパウロ州在住のHIROMIです。
前回はブラジルの労働法と労働手帳について書かせていただきました。
今回は、私自身が雇用者としてブラジル人を雇ってみて、また一緒に働いてみて分かった事や感じた事などを書かせていただきます。
ブラジルは人種に対する差別が犯罪となる国であり、採用もそれに十分注意して行わなければなりません。
募集要項・採用要件では、性別、社会階級、人種、肌の色、未・既婚状況、家族状況、身体障害、年齢、その他の差別的な特記事項を採用の告知に載せてはいけないことになっています。
採用のためのエイズ検査、ドラッグ検査の診断書や労働裁判証明書、債務証明書などの提出を求めることもできません。
無犯罪証明書の提出は、個人プライバシー及び雇用関係の差別の禁止を侵害するため違法とされましたが、法律が認める場合、あるいは業務の性質上必要とされる場合は認められます。
例えば警備員、現金輸送担、託児所や養護施設の子供、老人、障がい者の介護者、貨物輸送トラックの運転手、銀行員、武器やドラッグを扱う業務に従事する人、機密情報を取り扱う仕事に携わる人などは例外とされています。
女性に関しては日本と同様、妊娠しているかどうかを条件として採用、昇給、解雇に関して不利な取り扱いをしてはいけません。さらに妊娠していない、あるいは不妊手術をしたという証明書の提出を求めることも禁止されています。
もし証明書を要求した場合は、1年から2年の禁固刑に加え、罰金が課せられるのです。
また労働関係における人種、肌の色、身体障害などによる差別があった場合は、給料の10倍に相当する行政罰金に加え、公的金融機関との取引禁止のペナルティがあります。
差別的な解雇の場合は対象者の職場復帰を命じるとともに、解雇されていた期間の給料の倍額を支払うことが罰則として規定されています。
性別あるいは人種差別による給料の不平等性が立証された場合、裁判官は給料の差額の補填と社会保障院、厚生年金制度の年金給付最高月額の50%相当の罰金が科されます。
雇用者としては気をつけて採用したいところですが、ちょっとしたことで「差別をされた!」と弁護士に相談、裁判を起こす労働者は後を絶たず…。
5人に1人が起訴していると初めて聞いた時は、「雇用者側になりたくない!!」と思ったものです。
ブラジルでは、日本でもメーデーの名で知られる国際的な労働者の記念日がありますが、それ以外にも各「職業の日」があります。
先生の日、医者の日、秘書の日、料理人の日、掃除婦(夫)の日など様々な職業の日があります。これらは労働者の日とは違い、固定祝日はありません。
その代わりに、労りや感謝の意を込めてプレゼントをする習慣があります。
例えば、今月10月15日は「Dia dos Professores(先生の日)」だったので、保護者同士でお金を出し合い、子供の学校の先生にプレゼントをしました。
職業の日には「Feliz Dia da(s) (do(s)) ◯◯!」日本語だと「ハッピー ◯◯の日!」と、その職業の人に声をかけたり、メッセージを送ります。
自分の仕事に誇りを持ち、頑張ってお仕事をしてる人にとっては嬉しいですね。
このように人権を尊重するブラジルで雇用者として一番気をつけなくてはいけないのは、この職業の日を忘れない事。例えば、会社では秘書の日、家では家政婦、掃除婦(夫)の日、料理人の日には忘れずに声掛けを。
ここで、「あれ?雇用者や経営者の日は?」と思った方。残念ながらないのですが、設立日にお祝いされるので良いと思います。
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