
Papai Noel (パパイ ノエウ / サンタクロース)と
Olá!! ブラジル・サンパウロ州在住のHIROMIです。いつもコラムを読んでくださり、ありがとうございます!
さて、12月といえばクリスマス。カトリックの国ブラジルでは、クリスマスは「NATAL(ナタウ)」と呼ばれ、とても重要なイベントと考えられています。
普段は離れて過ごす家族や親族達が集まり過ごす大切な日なのです。
クリスマス当日の25日は祝日です。仕事は大体24日の午前中まで。人によってはクリスマスの数日前から休暇に入り、そのまま年明けまで仕事に戻らない人もいます。スーパーマーケットも24日は早く閉店し、25日は休業となります。
遠方に住む人は車や高速バス、飛行機を使って家族の元へ行き、団欒の時間を過ごします。その為、クリスマス前後はバスターミナルや空港がとても混雑します。
ブラジルでは「クリスマスは一人で過ごすものではない」と考えられており、家族や親族だけではなく、家族の中の誰かの恋人や、家族と離れて暮らす独り身の友人など、血縁関係を超えて集まります。
児童養護施設や老人ホームで過ごす人のためにも、特別な食事やプレゼントを用意するボランティアも多く集まります。
人々は24日の夕方頃から集まり、近状報告などさまざまな話をしたりして夜を迎えます。

このように集まる事にこだわるブラジルですが、家庭環境によっては複雑な日になる人もいます。
現在ブラジルでは3人に1人が離婚をしているといわれていますし、籍を入れていなくても子どもがいるケースもあります。
クリスマスの日は、自分の父親もしくは母親の再婚相手や恋人、その子供などが一気に集結。家族の関係が良好な場合は問題はありませんが、そうでない場合、複雑な心境で過ごす事に…。
なお、24日と25日の2日間で父方と母方の家庭どちらでも過ごせるようにしている人も多いです。
私はブラジルに来て初めてのクリスマスで、この話を聞いた時に「人類は皆兄弟」とは正にこの事だと思ったものです。
ところで、ブラジルでは12月に入ると、会社からボーナスのような「Decimo terceiro(13番目の給料)」が支給され、それでプレゼントを買う習慣があります。
貧富の差が大きいブラジルでは、貧しい人たちにもクリスマスには良い過ごし方をしてほしいとショッピングモール、スーパーや教会などには募金箱、子どもたちにはプレゼントを買って入れる箱が置かれています。
また企業や学校にもよりますが、プロジェクトを組み、貧しい子ども達から欲しいものリストを受け取り、それぞれプレゼントを贈ったりします。

プレゼント交換の合間に従姉妹たちと
もちろん、お友達や家族、会社の人たちにもプレゼントを贈ります。
その時に必ず行うのが、「Amigo Secreto(アミーゴ セクレート)」と呼ばれる秘密のプレゼント交換ゲーム。事前に名前を書いたクジを作り、引いた人宛にプレゼントを購入します。
デジタル化が進んでいるブラジルでは、グループで指定された共有サイトでクジを引き、誰にプレゼントを贈ればいいのか分かるようなシステムがあり、わが家でも4年前から導入しています。
ゲームの仕方はプレゼントを渡す時、その相手の容姿や性格、環境を言い、誰へのプレゼントなのか皆で当てていきます。
例えば、「Ela é linda(彼女は美しい)」と言えば、その場にいる女性たちは皆「Eu!!!(私!)」と言ったり、盛り上がりながら順番にプレゼント交換が行われていきます。
その場でプレゼントの中の物を取り出し、贈り主と一緒に写真を撮るのがブラジル流。
ここで忘れてはいけないのは、プレゼントの中にはレシートを入れておく事。気に入らなければ交換をする事ができます。これはお誕生日プレゼントも同じなので、覚えておくといいかもしれません。
近年では大体の金額を決めておき、参加する人たちがそれぞれ欲しいものを前もってグループメッセージに記入し、プレゼントを贈るようにしているところも多いです。
贈る相手の事を考えてプレゼントを選ぶのも楽しいですが、相手がほしいものから選べるというのは良いアイデアだと思います。
ちなみにわが家では、この楽しいプレゼント交換、Amigo Secretoを24日の20時半過ぎくらいからスタートさせます。

24日と25日、祝日給金を支払って料理人に来てもらう場合も
ブラジルのクリスマスは24日の夕方から集まり、日付をまたいで、日本のお正月のように家族親族がそろって行われます。
25日への日付が変わる0時を過ぎてから、みんなで輪になりお祈りをし、シャンパンやワインを開け、食事が振る舞われます。(※宗教によってはアルコールなし)
メニューは写真のように、七面鳥の丸焼きやChesterという鳥のハム、杏やレーズンが入ったサラダやピラフなどが定番。人数が多く集まるので、一人一品持ち寄ることも多いです。
デザートはフルーツやムース、ゼリー、アイスなどが多く、日本のようにクリスマスケーキを食べる習慣はありません。
「真夜中にそんなに食べて大丈夫?」と思われると思いますが、正直に言うと、翌日体が重いです。0時になるまで談笑しながらお酒を飲み、アペタイザーを食べているのでおなかいっぱいです。
子ども達もいつもと違う特別な日というのが分かるので、真夜中まで起きている事が多いです。
25日はミサへ出掛けるご家庭もいますが、わが家はゆっくり家で過ごしています。
ブラジルのクリスマス事情、まだまだ書き足りないので、世界ウーマン・コラムニストの岩井真理さんが書かれた、暑い!長い!ブラジルの真夏のクリスマスと国民的イベント事情と合わせて読んでみてくださいね。
皆さんはどんなクリスマスを迎えるのでしょう?きっと素敵な時を過ごすのでしょうね。
それでは、FELIZ NATAL E ANO NOVO!!!!素敵なクリスマスと新年をお過ごしください。
Written by HIROMI(ブラジル)