
飾り付けが終わり、日系ブラジル人パートナーと記念写真
Olá!!ブラジル・サンパウロ州在住のHIROMIです。私はイベントを自ら開催することが大好きで、これまで音楽発表会やチャリティーコンサートなどを開催してきました。
これまでは音楽にまつわるイベントでしたが、いつからか日本伝統文化を伝承するイベントを開催したいと思うようになり、2年前には桃の節句「ひな祭り」をブラジルで開催、する予定でした。
しかし、パンデミックで延期せざるを得なくなり、再開はまたいつになるのかわからないままに。
そして2年が経ち、規制が穏和されてきたこともあり、パンデミック前に一緒にイベントを立ち上げた日系ブラジル人のビジネスパートナーと2年ぶりに対面での再会、話合いの結果、その場で「今年は、ひな祭り体験イベントを開催しましょう!」と私は即決。
パートナーは驚いていましたが、「やりたいなら、やってみるべし!」の精神を持つ私は考えるより、まず行動。
しかし、この時既に2月の中旬。イベントを開催するのには時間がありません。急いで日程、会場の手配をしなくてはいけませんし、イベントプランも考える必要があります。
全てゼロの状態からスタート。私は即、企画書を作成、行動に出ました。

サンパウロ市にある曹洞宗両大本山南米別院佛心寺
会場の候補は2ヶ所ありました。
まず、2年前にひな祭りイベントを開催するときにも会場となった、ブラジル国内に展開するホテルチェーンであるブルーツリーホテルスグループの「ブルーツリー・プレミアム・パウリスタ」。
そして、サンパウロ市にある「曹洞宗佛心寺」。なぜお寺かというと綺麗に保管されている豪華な七段飾りの雛人形があるからです。
日本移民が日本から運んだもので、ブラジル北海道協会に保管されていましたが、お寺に寄贈されました。
サンパウロにはすべての都道府県人会があるのです。世界中でも各県人会があるのはサンパウロのみ。もちろん、私の故郷の青森県人会もあります。私は今年から副会長を務めさせていただいています。
さて、ビジネスパートナーと打ち合わせをした結果、食事付きでのイベントにすることに決まりました。
お寺は感染予防のため、館内では食事ができないということで断念。レストランがあるホテルに決定しました。
会場が決まり、ホテルでの打ち合わせをスタート。私を含め、一緒にオーガナイザーをするビジネスパートナー、ホテルの総支配人、ホテルのディレクター、イベント会場責任者、レストラン責任者、音響責任者と共に会議をします。

ホテル・ブルーツリー・プレミアム・パウリスタのロビー
今回はホテルのイベント会場を無償で借りることができたのですが、そのようなことはホテル側にもメリットがないとできません。
3年前にも、私自身が主催したチャリティーコンサートの会場は同ホテルグループだったのですが、会場を無償でお借りすることができました。
その時は日系福祉団体への寄付を兼ねたチャリティーコンサートで、ブラジル人達と駐在日本員達の日伯友好交流を目的としていたので、ホテルでも宣伝になるメリットがありました。
他にも条件はあったのですが、私はそれらを全てクリアさせました。それはまた機会があれば別の月で書こうと思います。
今回は日本伝統文化をブラジル人に伝え、日系福祉団体への寄付も兼ね、ホテル館内のレストランでまとまった人数で食事をするということで、スポンサー側としてもメリットになるので会場は無償でお借りすることができました。
そして、ホテルロビーで雛人形を飾り、ブラジル国内や海外から来られたお客様に日本伝統文化を知ってもらうチャンスでもあります。これはブラジル国内にあるホテルで初めての試みです。
雛人形はお寺に保管されているものを飾ることが決定していたのですが、3月3日はお寺でも飾るから難しいとホテル側に話をしたところ、3月8日にある国際レディースデーに合わせて月間特別展示として旧暦のひな祭りの日である4月3日まで飾ることになりました。
「それでは、ひな祭り体験イベントは4月3日に…」と思っていたら、ホテル側でNGが出てしまいました。無償なので文句は言えません。その翌週10日に決定。もちろん雛人形も10日まで飾ることになります。
ブラジル人に日本伝統文化を体験し、知ってもらうという目的があり、そのテーマが「ひな祭り」で、お祝いだけを目的としてはいないので、予定と決心を固めました。
貸出書も作成し、お寺に提出、理事会に届けられました。1ヶ月間も貸してくれたのは本当に有難いことです。この時点で2月の下旬でした。

イベントで提供した手鞠寿司
対面式イベントは行うことはできるものの、まだまだ油断はできない時期だったので参加者数を制限。和菓子ワークショップや昼食時にホテルレストランの多国籍料理ビュッフェの他、手鞠寿司と菱餅を提供することにしました。
予算を見積もってもらうと大幅にオーバー。仕方ないので2年前より参加費を高めに設定せざるを得ませんでした。
ブラジルの生活基準を考えると高いと思われるお値段でしたが、それでも参加したいと言ってくださるお客様がいました。参加者の皆様が気持ちよく帰っていただくために、お土産なども用意しました。
協賛企業を見つけるのも大変でした。パンデミックで大変だというのはわかっているから、聞くに聞けない状況でもありました。しかし、私には優秀なビジネスパートナーがいます。彼女の人脈で、見事に見つけることができました。
パンデミックの最中でも積極的にオンラインなどのイベントを開催していたビジネスパートナーのお手伝いをしてきて、学びを沢山得ることができました。彼女のおかげでイベントができたといっても過言ではないでしょう。
さて、ここまで順調にきたと思われるでしょうが、かなり焦ることもありました。
お寺からひな壇を運ぶ際、手配した車が小さかったのです。サイズをきちんと測り、写真も添えて伝えたのになぜこのようなことが起こるのでしょうか?
それだけならいいのですが、ブラジルは2月と3月は夕方頃になると豪雨となることが多く、それも配慮して運ぶ時間は14時半に予約をしていました。
ブラジルでは珍しい、約束の時間前にきちんと到着したドライバーさん。しかし、来た車はどう見ても小さい。ひな壇は北海道協会の方が木の板で作ったもので、解体できない箱型ひな壇なのです。どう考えても入りません。

着物を初めて着た娘の8歳の従姉妹
それを知った時は「どうしよう?」と思いましたが、小さい車で来たドライバーさんが目と鼻の先にトラックから荷物を降ろしている人を発見!
この時ビジネスパートナーが到着し、トラックのお兄さんに交渉をしにいきホテルへ運んでもらうことに。しかし、彼らにも仕事があるので、その仕事が終わったらということに。
暫く待っていたけれど、仕事が終わらないのか来ません。ゴロゴロ…と雷の音が聞こえ始め、あたりも暗くなっていきます。
この時ばかりはお寺の本堂前だけに、お釈迦様にお願いをしてしまいました。すると、願いが通じたのか、トラックのお兄さん達がやってきて無事にひな壇が運ばれていったのです。
幸いな事に雨には降られませんでした。そして、ホテルロビーで無事に雛人形を飾りホッとしていると、観光でサンパウロに来られていた海外からのお客様達に声をかけられ、雛人形について聞かれました。
「はじめて見た!素晴らしい!とても興味深い!」と仰っていました。このように、日本の伝統工芸を海外で知ってもらうことはとても嬉しいことです。
最後となりますが、ひな壇と雛人形を運ぶ時はハラハラしましたが、トラックの話を日本人のお友達に話したところ、「日本だと『規制があるからできません。上に相談しないと…』で終わりそうだよね。ブラジルだからできた事なのかもしれない」と言っていました。
これも、助け合いの精神からくるものなのかもしれません。そんなブラジル人達に助けられて、私は今日も元気にハッピーに生きています。
次回は、無事に終えたイベント当日のことを書こうと思います。それでは、Até mais!(アテ マイズ – またね)Tchau Tchau!!(チャウチャウ – バイバイ)
ブラジルの都道府県人会はこのような活動をしています。世界ウーマンコラムニストの岩井真理さんがブラジルに住んでいた時に書いたコラム「ブラジル日系社会で最大の祭典、21万人以上が入場した「日本祭り」とは?」もぜひ読んでみてください。
Written by HIROMI(ブラジル)