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世界ウーマン座談会「みんなどうしてる?親の介護」

2022年4月22日
世界ウーマン座談会

突然やってくる介護問題

3月に開催した「全2回海外在住者のための親の介護・終活講座」は、参加者から大きな反響がありました。

介護や葬儀に関する最新情報や実家の片づけといった講師の実体験は、いつか来る自分の親の「万が一」をシミュレーションする良い機会になったからです。

知識を得たことと、参加者同士の意見交換や心情を吐露しあったことで、漠然とした不安の払拭にも役立ちました。

今回の座談会では、講座に参加いただいた下記の3名にご自身の経験のシェアをしていただきました。

内野尚子さん・・・・海外在住歴30年。父は早くに他界。90歳の母が認知症で認知専門病院に5年前から入院中。80代90代の義父母の介護に日本帰国して携わった経験を持つ。昨年末は義父母実家の片づけで作業を行った。

キエヤングさん・・・・海外在住歴30年。91歳の父、87歳の母。毎年日本からアメリカに遊びにくる元気な両親だったが、今年になって父の末期がんが発覚し、急に寝たきり状態に。母が父を自宅介護しており、日本への一時帰国準備中。

周さと子・・・・海外在住歴17年。実父母は74歳と72歳。父が脳卒中を2回経験しており短期記憶障害を持つ。現時点で介護の必要ない生活ができているものの、将来やってくる親の終活に対しての心の準備を始めたい。

読者にとっても活かせる知識、情報満載かと思います!

 

親の介護や終活に関して、現在利用しているサービス

キエさん:正直、介護問題は今回父の病状に直面するまであまり考えることがなかったです。いきなり襲ってきた感があります。

尚子さん:いきなりだとさまざまな事をいっぺんにやらないといけなくて、余計大変なんですよね。実父は突然死だったので誰に連絡したらいいのかも、何をしたらいいのかもわかりませんでしたし、母が認知症になった時は印鑑や銀行の手続きや重要書類の場所が不明でこちらも大変でした。

特にこの数年はコロナ禍で移動の手配だけでも一苦労です。私の住むオーストラリアは出国制限がかかっていたので、帰国のための書類作成も一筋縄にはいきませんでした。試行錯誤の末に出国許可が取れましたが、私の周りには親のお葬式にも帰れない方もいました。

周:それは厳しいですね。親の「万が一」が突然来ると困るなぁ。例えば「転んで骨折してしまって、病院から戻ってきたら介護が必要になった」なんてよく聞く話ですよね。うちの場合は妹弟が日本にいるので、もし介護必要となったらまずは彼ら頼みになると思うのですが、今回の講座や座談会でできることや心構えを準備していきたいと考えています。

まずはじめに、親の介護や終活に関して利用しているサービスがあればお聞きしたいです。

尚子さん:義理両親は他界しましたが、生前はデイケア、医療付老人ホーム、見回りサービス、家政婦サービス、訪問医療、訪問介護などを利用しました。

デイケアは、半日のもの、運動機能に特化したものなど種類があり本人が「行ってもよい」というものを選びました。義父は寝る際にシーパップ(無呼吸症候群用の機器)を自力でつけることができなくなってしまって、土日含め毎晩15分、装着のために来てくれる見守りサービスを利用しました。1日1回誰かが来てくれると安心ですよね。

あとは一緒に買い物に行ったり、散歩したり、家事サービスをしてもらえる人にも来てもらいました。週に3回、1回あたり2~3時間ほどです。

周:さまざまなサービスがありますね!どのようにして見つけたんですか?

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