皆さん、こんにちは。ブラジルサンパウロ州に住むMari です。
前回のコラムでは、世界最多といわれるブラジル日系人についてご紹介をしました。
今回は、ブラジル日系社会最大の祭典「日本祭り」をご紹介したいと思います。(新型コロナの影響で今年は中止となってしまったので、写真は去年ものです。)
「日本祭り(Festival do Japão)」は、ブラジル日本都道府県人会連合会(以下、KENREN)が主体となって、日本文化の伝統を守り普及し、次世代へ継承する目的で年に一度、毎年7月に行われています。
全ての県人会が郷土料理を提供するブースを出したり、舞台では歌謡、民謡、郷土芸能などのパフォーマンスやミスコンが催されます。
また、日本文化の展示や、来場者も参加できるワークショップ、茶道体験、など趣向を凝らした出展が、全てKENREN に関わるボランティアの手で運営されています。
View this post on Instagram
ブラジルに進出している日本企業もスポンサーとしてイベントを支えています。
日系人のみならず、他にルーツを持つブラジル人にも日本文化は人気なので、昨年の入場者数は過去最高の21万5000人(内6割が非日系)でした。
こんな人気のイベントですので、最新設備の整った屋内施設サンパウロ・エキスポセンターで、今年も3日間にわたって開催されるはずでした。しかし、コロナのあらゆるリスクを考えて今年の開催を断念し、来年6〜8月開催とする苦渋の選択をしたわけです。
私もガッカリ。と、同時に昨年訪れた時の事を思いました。
ブラジルの7月は冬なのでそれなりに肌寒く、私は長崎県人会のブースでちゃんぽん麺を買いました。夫は、広島ブースでお好み焼き。デザートに、栃木のいちご大福を食べました。
腹ごしらえが終わって、ステージを観ると日系ブラジル人歌手セルジオ・谷川が、流暢な日本語でノリノリ、五木ひろしさんの歌を熱唱中でした。かなりの歌唱力!
私は圧倒されながらも動画を撮り、五木夫人とママ友だという友達経由でこの動画をご本人へ送りました。「地球の裏側でこんなにも上手に歌ってくださって感動です」と、後日ご本人からのコメントも受け取りました(笑)
ワークショップのブースを覗くと、茶道体験などに混じって、日本のアニメのコスプレ撮影会もしています。
View this post on Instagram
伝統的な文化のみならず、現代的サブカルチャーも紹介されているのが、このイベントの人気の秘密かもしれません。
会場を歩いていると、日本語学校のチラシを渡されました。「日本で働きませんか?」日系ブラジル人に見えた様です(汗)
ブラジル人は日本への憧れが強く、特に若い人は日本で働くことを夢見ています。
その話を聞くたびに、かつて豊かさを夢見てこの国へ移民してきた人達の事を想像します。
日本から1番遠い国、簡単には帰れないけれど、いつかは華々しく故郷へ帰る日を思い、苦しい農作業も耐え、コーヒー農園のみならず、様々な農作物を育てた日系人。
かぼちゃ、白菜、しめじ、しいたけ、大根、ネギなどが彼らのお陰で今でも普通に手に入ります。そんな努力の歴史があるので、ここでは日本人は一目置かれ、その意味でも日本祭りはとても大切なイベントなのです。
今の日本や日本人は、憧れるに足る存在でしょうか?コロナ渦の中、人々の生き方や在り方が問われています。国際社会の中、私達日本人はどのように映っているのか、気になる今日この頃です。
【Festival do Japão公式サイト】
https://www.festivaldojapao.com/
Written by 岩井真理(ブラジル)