教育福祉事業プロジェクト「Descobrindo o Japão」のワークショップの様子。画像提供:今井恵美氏
Olá!! ブラジル・サンパウロ州在住のHIROMIです。私は現在、教育福祉事業プロジェクト「Descobrindo o Japão(日本を発見)」のお手伝いをボランティアでしています。
こちらはブラジルの公立学校の生徒たちに日本文化の芸術と教育を共有することを目的として、押し花絵のアーティスト今井恵美氏が企画・コーディネートをしています。
ブラジルに住む日本人の多くはインターナショナルや現地の私立校、もしくは日本国政府の文部科学大臣が管轄する在外教育施設である日本人学校に通っている子どもが多いので、現地の状況は意外と知られていないのではないかと思います。
このコラムで、ブラジル現地の教育事情をもう少し詳しく知ってもらえたら嬉しいです。
ブラジルの教育制度は、初等教育9年(日本の小・中学校がひとくくり)、高校3年、大学が4年の9・3・4制。このうち最初の9年は義務教育となっています。
日本と違って1日中授業があるというわけではなく、基本的に午前と午後の2部制になっており、どちらかに出席するという仕組み。生徒数が少ない場合は、午前中のみに生徒たちを集めて授業を進めている学校もあります。
このように少ない学習時間を補うために、多くの子供たちが塾に通ったり、補修や課外活動を送ったりしています。
なお、インターナショナルスクールやプロジェクトを提供している州公立学校の生徒たちは7〜9時間学校にいるため、学校によっては異なりますが、2023年にはサン・パウロ州では492市内2311校で7〜9時間授業があり、学生生活プロジェクトからカリキュラムの構成要素や特定の教育実地など、多くの取り組みが行われています。
ブラジルの義務教育である初等学校で学んでいる子供は、統計して98%。残りの2%、つまり約73万人の子供たちが学校に通えていないのが現実です。
さらに、9年の初等学校を9年ちょうどで卒業できる子どもたちはわずかに47%。その中でも、高校も3年で卒業できる子はたったの14%。大学に進む子どもは、ブラジル全土でたった11%しかいません。
また、先日観たブラジルのニュース番組で「ブラジルにおける教育問題」について放送されていましたが、15、6歳で字が書ける子どもが16%と少なくなってきていることが指摘していました。
地方の貧しい家庭では子供を働かせたりしているため、字の読み書きができなくなっているのです。
公立校の場合、学費は無料です。給食も無料なので、貧しい子でも通学することは可能です。しかし、ブラジルの公立学校の学力レベルはやや低いと言われています。
その理由の一つは、先生の給料がとても低いこと。薄給のせいで先生のレベルが低下し、学力も低下するとして社会問題となっています。
学校のコンディションの悪さもあり、また、道徳という授業がないため、善悪判断能力が低い子どもも多いです。
このように問題があるブラジルの公立校で、プロジェクトをどのような形で提供しているのでしょうか。
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