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中国・北京の世界遺産「頤和園」で中国人の親孝行を学ぶ

2021年6月16日
MOKO (中国)

一歩一歩歴史の重みを感じながら

約四ヶ月に渡る撮影もやっと終盤を迎え、住まいのある広州に帰宅前に立ち寄った北京旅行。中国歴史を簡単に理解し、自分なりに昔の風景を想像しながら歩いてみました。チャイナの良さを再発見!

頤和園(颐和园)は世界遺産の一つに登録されており、清朝時代の乾隆皇帝が母の為に建てたお庭と言われています。当時入門できるのは皇族だけ、一般人は入れませんでした。

中に入って足元を見ると、中心道だけがどこまでも均等に綺麗に石詰めされています。皇族の中、当時の皇帝、皇后、皇帝の両親のみが歩くことを許された道だったそうです。

現在は一部を除きほとんどが一般公開され、一般人の私達もこの中心道を堂々と歩く事ができます。中を進んでいくと数々の樹木が覆い茂っていてとても気持ち良いです。

木に掛けられている赤いプレートは樹齢300年以上を意味するそうですが、たくさんの木に掛けられていてビックリしました。

建造物の周りには白く大きなでこぼことした岩が見受けられますが、ただの岩ではなく中国の風水によって置かれているものです。

建物の守り神の役割、魔除けの役割、見張りの役割と様々なので、写真や動画を撮るときは岩が写り込まないように、もしくはガイドさんに一言断ってから撮影することをお勧めします。

 

母への贈り物「蘇州街」、歩くだけで価値ある回廊「邀月門」

左上から時計回りに、「樹齢300年以上の古木」「邀月門」「昆明湖」「邀月門の回廊に描かれた絵」

入ってすぐに、今にも船が現れ、人々の活気ある声が聞こえて来そうな街並みが並びます。こちらは中国歴史上親孝行で有名な皇帝、乾隆帝が蘇州の街並みが大好きな母のために緻密に再現した「蘇州街(苏州街)」と名付けられた街並みです。

乾隆帝はカメラやビデオなどの精密機械がなかった時代、設計士を集めて蘇州の街並みを細かく記録し、スケッチするように指示しました。

そして、母がこの蘇州街を通るときのみ家来を集め、あたかも本当に人々が生活しているように見えるように、物を売る商人、街を歩く人、船に乗る人などを演じさせました。

なんと母のために、遠くて行くことのできない苏州の街並みをそっくりそのまま演出してしまったのです。皇帝の親孝行はスケールが違った。恐るべし!

また、「邀月門」というとても長い回廊も見ものです。ここから広がる景色は湖が遠くまで見渡すことができ、特に夕暮れ時はロマンチックでずっと眺めていられます。

ぜひ注目してもらいたいのは、この長い回廊の天井内側外側に描かれた絵です。14000個の絵には中国の昔の童話が描かれています。

1つ1つ異なる絵が描かれている事が驚きです!ある部分は修復され鮮明に見えるものから、色味が抜け彫刻跡が見えるものなど、、、実にたくさん。

きっと母と子、もしくは皇帝と皇后が天井を眺めながら、中国童話に親しみ、会話をしながらこの回廊を歩いていたのかもしれません。想像すると本当に美しい情景です。

撮影してもよい縁起の良い岩。他の岩は注意が必要です

中国歴史に残る権力争いでは、この皇帝のお母さんは息子に対しとても厳しかった記述が残っており、実際に息子を一時期閉じ込めたと言われる建物も園内にありましたが、こちらは見学不可でした。

いつの時代も親子って色々あるんだなと感じましたが、それでも母を大事にする子の心にグッとくるものがありました。

ずっと気になっていた、中国人の皆んながなぜこんなにも親を大事にするのか?この精神は一体どこから来ているのか、親孝行文化の集大成がここにぎっしり詰まっているような気がして、素晴らしいなぁと美徳を感じました。

颐和园は今回初めて訪れたのですが、中はとてつもなく広く、見所が満載でした。

歴史と颐和园が大好きが中国人ガイドさんが、早足ながらも見所はちゃんと押さえて案内してくれたおかげで、全部聴き取れた訳ではないけれど、想像力をフル稼働しながら巡ることができました。

まだまだ続く北京旅行記、次回もお楽しみに。今日も笑顔でニーハオ!

Written by 古川智子(中国)

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