話すと当たり前に出てくると思い込んでいる声だが、これがなかなか複雑なメカニズムなのだそうだ。
人にはそれぞれの声があって、ユニークでとても印象の良い声の人もいる。一方で、普通に話しているだけなのに不快感を与えてしまう人もいる。
大した事を言っている訳でもないのに妙に説得力のある人もいれば、いい事を言っているはずなのにいまいち伝わってこないという人もいる。
最近流行っている音声SNS『クラブハウス』でも、思わず聴き続けたくなってしまう声の持ち主と、すぐにルームをLeaveしたくなってしまう声の持ち主がいる。
そう、話すって意外と難しいのだ。
では、どうやったらうまく話せるようになるのだろうか。いい声とそうでない声の違いは何だろうか?
声は声帯によって決まるので、遺伝だから仕方がないと言ってしまっては元も子もないし、違いはそこから生じているのではないそうだ。
本書によると、日本人の8割は自分の声が嫌いだという。
ご多分に漏れず、私もそうだった。普段は自分の声を意識することはほとんどないが、録音した自分の声を聞くともう耐えがたく、できることならその場に穴を掘って隠れたくなるほど。
でもやはり仕事となると、そうも言っていられない。きちんと発言をして、タスクをこなしていかなくてはならない。好きとか嫌いとか言っている猶予はない。
となると、自分の声にしっかり向き合って少しでもまともに話せるようになりたい。できればこの本のタイトルのように「人前で輝く話し方」ができるようになりたいものだ。
本書の著者である五戸美樹さんはフリーアナウンサーで、独立する前はニッポン放送でラジオ局のアナウンサーとして働いていた。
まさに声や話すことのプロフェッショナルであるが、以前は”ど下手”な”ど素人”と悩んでいたそう。緊張しすぎて本番中に泣いてしまったこともあったそうだ。
今の五戸さんの話し方しか知らないのでとても驚くが、そんな過去を持つ五戸さんでも正しい方法を知ることと練習で悩みを乗り越えることができたという。
そもそも私たち日本人は教育の過程で、話すことについて学ぶことがほとんどない。それどころか、教科書の音読をさせられることで、ますます苦手になってしまうそうだ。
朗読というのは、アナウンサーにとっても超難易度の高いナレーション。いきなりそこから入る小中学生時代に劣等感を持ってしまうのだという。
しかも書かれている言葉は「書き言葉」なので、話す時に使う「話し言葉」とはかなりかけ離れている。
では、うまく話すにはどうしたらいいかというと、5つのアプローチの方法があるという。
①内容(構成、語彙力など)②話し方(抑揚、個性など)③メンタル(あがりすぎない)④声(発声、滑舌など)⑤見た目(表情、ジェスチャーなど)
トークの要素はこれらが複雑に絡み合っているそうだ。詳細は割愛させていただくが、なぜ自分が話すのを苦手に感じていたのか、どうやって直していけばよいのか、読みながら大いに納得した。
なんとなく理解はできたが、練習はまだまだ途中だ。実は私、著者の五戸美樹さんのオンラインサロンメンバーで毎週レッスンを受けている。
加入して以来、自他ともに驚くほどの成長をしており、美樹先生には感謝しても感謝しきれないほどだ。
自分の声できちんと話せるようになる素晴らしさを知ってほしくて、この度世界ウーマンで「オーセンティックボイス(本物の声)」をテーマにオンライン講座を企画した。
開催は、2021年4月10日(土)日本時間21時から。興味のある方は、ぜひこちらのページからご確認ください。
Written by 藤村ローズ(オランダ)