人は意識しているものしか認識できない、といわれています。
妊婦の頃、やけに妊婦さんの姿を街で見かけたり、私たちがオランダに住むようになってから、母は「最近、日本のテレビでよくオランダの話題が出てくるのよね」と話していたり。
きっと妊婦でなかったり、オランダに住んでいなければこのような現象は起きていなかったことと思います。
先日、オランダ・アムステルダムのDe Hallenで開催されたアート展を訪れました。お目当ては日本人アーティストの伏屋美希さんの絵。
彼女の絵はとっても不思議なんです。
「人間の表情を独自の色彩感覚で、心の揺れや曖昧な表情など、微妙な感情や思いを表現している」という伏屋さん。
そして彼女の絵がどう見えるかは、その人次第。同じ絵であっても笑顔にも泣き顔にも見えてくるといいます。
きっと、彼女は人の顔を見る時、他の人の何倍もの視点で捉えられるのだと思います。
どの色をどこに置くか、全てはインスピレーションに従い、仕上がった作品は「魂が入った」と思たら筆を置くという。その感性と色使い、出来上がった作品はシビれます。
人の表情も然り、あらゆる物事は多面性があって当たり前なのかもしれません。湯のみ茶碗を上から見たらマル、真横から見た長方形、斜め上から見たら楕円形、といったように。
さて、オランダの短い夏がもうすぐ終わり、長くて暗い冬がやってきます。
オランダに住むようになり今年で3回目の冬を迎えるわけですが、この環境であってもオランダの子供達は世界で一番幸せと言われる所以はどこにあるのか?なんとなく分かってきたような気がします。
日本にいる頃はシミを気にしてなるべく太陽は避けるようにしていました。
しかしこちらでは、太陽の日差しのありがたみが身にしみて分かります。本当に太陽を浴びることで体も心も元気になっていくんですね。人間もお花と一緒で、自然の中の生き物なんだと思わされます。
そして、寒くて凍ってしまった運河は自然のアイススケートリンクと化し、親子で楽しむオランダ人。厳しい自然も、丸ごと楽しむ彼女たちには教えてもらうことがたくさんあります。
そんな私も子育てをしながらの勤務医時代には、こんなことを思う余裕がなかったですけどね(笑)
いかに朝の支度を早く済ませるか、いかに早く子供を寝かしつけ机に向かう時間を確保し、睡眠時間を設けるか、というような毎日でしたから。
環境は人を変えますね。
8月21日〜10月6日まで”Miki Fuseya Art Exhibition”がアムステルダムにて開催中!(2箇所同時開催)
【Benji’s Amsterdam】
住所:Wibautstraat 196, 1091 GS Amsterdam
営業時間:9:00ー17:00(月曜日定休日)
WEB:https://www.benjis.amsterdam/
【Benji’s toko】
住所:Baarsjesweg 188, 1057 HR Amsterdam
営業時間:11:00ー00:00(月曜日定休日)
Written by 二之宮知(オランダ)