終身雇用制が崩壊し、流動性・柔軟性が求められ始めた令和の始め。
いよいよ本当にやりたいことは何か、どんな人生を送りたいかといったことを、半ば強制的に考えさせられる時代が押し寄せてきた。
この時期、妊娠・出産・育児といったライフステージの真っ只中にいる女性は、ある意味とてもラッキーなのかもしれない。
一旦社会での歩みを止め、子供と過ごすことになる時間は母として決して暇ではないけれど、本来の望みや在り方を見つめ直すビッグチャンスとも言える。
オーストラリアのメルボルンに在住のかおりさんは、この「自分と素直に向き合って選択する」作業をずっと前からやってこられてた方。
新しい時代を迎えるにあたって、彼女の生き方にたくさんのヒントが詰まっている気がする。
人の気持ちに寄り添うことやモノを創りだすことが好きだった彼女が、大学卒業後に選んだのは義肢装具士の道。病院で患者さん一人一人に合った義肢や装具をデザインしていく仕事である。
日本の学校を卒業した後、さらに専門性を高めるためにメルボルンへ留学。卒業後はシドニーやメルボルンの医療チームの一員として働き、自己のクリエイティビティを発揮しながら人の役に立てていることに日々満たされていたという。
その後、結婚、妊娠、出産を経て、「再び現場に復帰して以前の仕事を再開したいか」と問い直した末、子育てに専念することを選択。
しかし、「ママ」であることだけに違和感を感じコーチングの仕事を在宅で始めるも、何か満たされないもどかしさに悩んでいた。
子供の手が離れてきた頃に、「何かを創り出したい!」というクリエイティブ精神がうずきだし、週一でアートクラスを受講するように。そこで味わったのが開放感。
もともと絵を描くのが大好きで、油絵なら何時間でも描き続けられ、筆を止めるのが難しかったことを思い出す。
その体験からインスピレーションを受け、現在は、ココロオドル毎日を過ごせるように、アートを通して心と人生をリハビリするアートフルライフコーチとして、クリエイティブライフ・セラピープログラムなどを主催している。
働き方の形態と仕事の内容は変わったものの、自己のクリエイティビティを発揮しながら人の役に立つという、かおりさんの真髄は揺るがない。
かおりさんが眩しいほど美しいのは、きっと生まれもった美貌の奥に、誰もが自分の本質の輝く場所を持っているという確信を持っているから。
子供を産んでからの仕事復帰やキャリア、子育てに悩む現実問題も、じつは、より素直に生きていくことに許可を出せるかどうか、私たち自身に任されているだけなのかもしれない。
Kaori Lockwoodさん
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Written by 二之宮 知(オランダ)