皆さん、こんにちは。Living Like a LocalのAiです。カナダに移り住んで5年目になる私が、新たな挑戦に挑んでいます。
それは、「ローカルの企業で働く」ということ。
この5年間に移民の為の政府が運営している語学学校へ通ったり、趣味だったハープを本格的に学び直して現地の大会や試験などに挑戦したりと様々なことに挑戦してきました。
留学をコーディネートする会社をカナダで起業したことも大きな挑戦の一つでした。
振り返ってみれば、カナダに長く住んでいるのに英語を使わない毎日。
レストランや買い物などで使う会話のみで、どんどん自分の英語力が乏しくなっているのを感じます。最近では英語に対して恐怖すら感じるほどに。
海外に5年も住んでいたら、英語はペラペラでしょうって思いますよね?
それは大きな間違い。アウトプットする機会がなければ、日本にいるのと変わりません。このままじゃいけない、情けない…自分に鞭を打とうではないか。
2021年の私の新たな挑戦が始まりました。「そうだ、働いてみよう!!」
私の住むバンクーバーでは、ワーキングホリデーとして働いている日本人の若者がたくさんいます。
日本食レストランやカフェで働く人たちが大半を占めますが、自身のスキルを活用して、美容院やネイルサロン、トリマーさんだったりと様々です。
日本の技術、接客、働く姿勢が素晴らしいので、日本人を採用したいと考えるローカルオーナーも多いと聞きます。
カナダで働くとしたら、私が心地よく仕事ができることは何だろう?
カフェ巡りが好きだからラテアートを学びながら、お洒落なカフェで働いてみたい、などと妄想を膨らましていたところ、友人が経営しているスパで「セラピスト募集」の求人を偶然目にしました。
3人の子育てをしてきた私は自分の事に対してはあまり頑張れないけれど、人に喜んでもらう事は頑張れる自信がありました。
日本の皮膚科の病院でメディカルエステの施術経験があったので、フェイシャルなら海外でも働けるかもしれないと、思い切って応募してみることにしました。
幸いなことに、スパの場所は自宅から歩いて15分という好立地。窓から丘の上から山々を背に広がる海とダウンタウンを一望できます。
足を踏み入れた瞬間、直感が働きました。「ここで働きたい!!」
日本での接客業務での大きな違いは、チップ制度ではないでしょうか。海外旅行の際に、チップの習慣に戸惑った経験がある人もいるかもしれません。
チップとはホテルやレストランなどにおいて、従業員によるサービスに対して、任意で支払われる金銭を指します。
カナダでのチップの相場は料金の10%〜20%ぐらいで、給与の一部を雇用主からではなく、その顧客から受け取るという仕組みになっています。
日本では当たり前のサービスでも、お客様のことを考えて行動した結果を、笑顔や感謝の気持ちだけではなく、対価として目に見える形でいただけることで、従業員のモチベーションアップとなります。
カナダは様々な国からの移民が多く、人種が異なるため、チップの額に幅はあります。
働いているスパではカナダで生まれ育ったローカルのカナディアンが多く訪れるため、私のサービスに喜んでくださった方で、最高50%ものチップをくださった方もいらっしゃいます。
平均相場の10%にも満たないチップの場合もありますが、その時は何かサービスに反省する点があったかなと、自身に問立いかけるきっかけにもなります。
英語で接客しながら、顧客を満足させる事は非常に難しいことですが、真摯に一生懸命な姿、丁寧な姿勢にお客様が喜んでくださった結果、どのぐらい満足したかを目に見える形で代金を頂けるこのチップ制度はなんて価値ある制度だろうと、働いてみて初めて気づきました。
これまでチップを払う側しか経験していなかったので、自分が実際に働いてみて、チップ制度の重要性を理解できたのでした。
はじめは英語を話すのに躊躇していた私ですが、完璧なんて必要ないと今は思います。
カナダではありがたいことに、本当に優しい方、聞く耳を持ってくださる方が多いです。カタコトでも、間違った英語でも、一生懸命聞こうしてくださいます。
カナディアンの心の広さ、寛容さにいつも感動し、今ではお客様との出会い、そしてお話しをすることが楽しみでもあります。
全て完璧じゃなくてもいいんですよね。心が繋がることが大切です。
Written by 矢寺愛(カナダ)