私が初めて海外に住んだのは2012年。現在の旦那とまだ彼氏彼女の関係だった頃です。彼とは結婚を前提にお付き合いをしていて、彼の転勤先の韓国に来てほしいと言われたのがキッカケでした。
「韓国に一緒に行こう!」と言われた時は、とても迷いました。
英語はできるが通じるか分からない、現地の言葉はできない、行くとしたら観光目的になるので、滞在できるのは90日間。経済的にも余裕はないなど、色々な悩みがありました。
でも、その悩みは若さの勢いで吹き飛ばされ、韓国に行くことを決意し、初の海外での暮らしを体験しました。
そこで、自分の無力さを痛感。働きたくても観光目的なのでできなかったり、「じゃあ、ボランティアをしてみよう」と思っても、言葉の壁があってできなかったりと苦戦ばかり。韓国行きを決めた自分に嫌気もしました。
そして、二か国目はアメリカ。アメリカへは婚約者ビザで行き、結婚し、グリーンカードを所得しました。
韓国の時よりも状況が良くなり、「私にできることが多くなっただろう」と最初は思ったもの、そこでも自分の無力感に悲しむことになりました。
まずは、言葉。英語をある程度話せると思って渡米したのですが、通じないことが多く、聞き取れないことも多々あり、スーパーに買い物に行くことさえも億劫になったいた私でした。
ステップチャイルドと自分の子供の世話をし、家にいることがほとんどで、仕事をしてその生活から逃げ出したいとも思ったりしました。でも、学歴や資格もない私を雇ってくれる仕事なんてなく、若い頃にダンスばかりしていた自分を憎みました。
現在、私はサウジアラビアに住んでいます。数か月前、学校で先生として一ヶ月、お手伝いをする機会を得ました。
その際に、履歴書を書いて送ってほしいということだったのですが、その履歴書は「私の経験・体験などを書いて下さい」というものでした。それを作成している時に、今まで私が経験・体験したことは無駄ではなかったことに、気付かされたのです。
自分の通ってきたルーツを書き出していくと、自分がどれだけ頑張ってきたか、自分がどれだけ色んな事に挑戦してきたかを目を通して見る事ができました。
例えば、私の場合で言うと、海外で感じた無力感です。
もちろん、できない自分ばかりにフォーカスしてしまうと、どんどん自信が無くなっていきました。そして、人や物事のせいにばかりするようにもなっていました。
でも、それを経験したことで、自分はどう変わりたいか、自分に何が必要なのか考え、行動するように、切り替えられるようになっていたのです。
学歴がないから、資格やスキルがないから、子供がいるから、海外にいるからなど、そんな風に私は諦めていました。
でも、学校でのお手伝いの機会は、それを全部覆し、私にチャンスとしてやってきました。
コロナをキッカケにオンラインでのイベントや講座、お仕事なども増えてきて、現在は、たくさんの情報を探しやすい環境になりました。
それでも、昔の私のように無力感を感じている人もいると思います。
そんな方に、伝えたいです。
できないことにフォーカスするのではなく、あなたが今できる精一杯の事をしましょう!
毎日の食事作り大変という気持ちではなく、家族の健康のためと思って食事を作ってみたり、小さいお子さんと家にいることを辛いと感じるのではなく、子供とのこの瞬間はもう戻ってこないんだと感じながら過ごしてみたり。
お金にならないことでも、率先して挑戦してみたり、人と過ごす時間を大切にしたりと「今」に集中して精一杯、過ごすことが、大事だと思います。
あなたが、今できることを精一杯していれば、きっと運は味方になると私は信じています。
そして、誰かがその精一杯頑張っているあなたを見ています。私にチャンスがやってきたように、あなたにもきっとチャンスが訪れる日が来ると思います。
Written by ミッチェル真理(サウジアラビア)