この本の著者は、Twitter界の頼れる姉御とも呼ばれる「めいろま」さんである。
シニカルかつウィットに富んだめいろま節にはよく驚かされるのだが、言っていることはごくごくまともであり、日本の外から中から見た実情を伝えてくれる。
本書は、そんなめいろまさんが20ー40代の悩める乙女に捧げる「女性の生き方本」である。
薄々お気付きの方もいらっしゃるかもしれないが、女性にとってとにかく生きにくい日本。
これは気のせいではない。
世界の経営者が集う会合World Economic Forumが発行している「The Global Gender Gap Report」2013年版では、日本は135カ国中105位!
これは、中東のイスラム教国や外務省の退避勧告が出ている北アフリカの国よりかろうじて上の順位なのだそう。
海外メディアには、「男尊女卑の国」と報じられてしまっている日本。
「アメリカ女性の73%が再就職可能なのに対し、日本で再就職できるのはたった43%。日本の会社は紙のリサイクルには熱心だが、女性の才能を無駄にしてもいいと思っている」とはエコノミスト誌の記事。
海外メディアの日本女性差別記事を読むと「うがああ」と救われない気分になってしまうといいます。
一方で、日本人女性の方にも媚びたり甘えたりする傾向があり、そこは考え方を改めないといけないという厳しいお言葉も。
グローバルな職場ではプロとして、スキルで勝負する必要があるといいます。
自分のスキルを高め専門を持っておかないと、世界を相手に戦っていくことができないと。
逆にいえば、これはというスキルを身に付けたらそれを武器に戦っていけるのです。
年齢や経歴、過去の失敗を気にする必要はないそうです。
日本人、特に女性は、自分の所属する「枠」を気にしすぎるあまり、挑戦すらしない人が多すぎるとめいろまさんは言います。
英語圏で「女子力」という言葉の代わりによく使われる言葉が「ガールパワー(Girl Power)」。
そのまま日本語を英語に訳しただけかと思ったら、その中身は正反対。
Oxford English Dictionaryの定義によると、
Power exercised by girls; spec. a self-reliant attitude among girls and young women
つまり「少女が行使する力。少女や若い女性の間の自立した態度のこと」のこと。
それに対して、「女子力」というのは、基本的に「他人に押し付けられる女性性」。
「女ならこうあれ」という表面的な格好や活動の押し付け。
そんな「女子力」は葬り去って、ガールパワーで行こう!というのがこの本の主旨である。
そのためのさまざまな具体的方法が本書には記されている。
おなじみめいろま節で書かれているので、慣れない人には少し読みにくいかもしれない。
でも少し慣れればまったく問題なく、それどころかめいろまさんのメッセージがダイレクトに伝わってくる。
正論すぎてめいろま節でつづらないとつらいという真実が書かれている。
すでに海外にいる方はもちろん、海外に出ることに興味のある方にとっての生き方の羅針盤としてぜひ読んでみてほしい。
Written by 藤村ローズ