4年前のちょうど今頃、「保育園落ちた、日本死ね!」が日本中を駆け巡りました。
それは、匿名のはてなブログに掲載された待機児童問題への悲痛ともとれる怒りの声。
言葉遣いが悪い、わがままだ、という批判があった一方、ブログの内容に共感したママ達が国会前でデモを行うまでに発展。
さらに、#保育園に落ちたのは、私だ!の声と共に待機児童問題改善要求への約2万8000人もの署名を集め、国会でも取り上げられました。
この一連の騒動を機に、待機児童問題、保育士さんの低給与問題を知ったという方も多いのではないでしょうか。
多くの人の関心を集めたこの問題が、現在どうなっているか調べてみました。
1)待機児童数は毎年減少。2016年4月に23,500人だったのが、2019年4月には16,700人へ。
2)保育園への補助金支給精度などの改善が継続して行われており、保育士の給与は2017年以降も毎年増加がある状態。
どちらも政府主導で改善に取り組んでいる様子が伺えます。
匿名ママの叫びがきっかけとなり、世間を動かし、政府を動かし続けているといえるのではないでしょうか。
現在は、SNSやウェブサイトを通して、誰もが問題提起や改善策の取組みを発信できる時代です。
私達は、普段の生活の中でも「社会をより良くしよう」という仕組みをよく目にしています。
「チャリティイベント」や「ふるさと納税」などが身近な例として挙げられるでしょう。「クラウドファンディング」や、NPO、NGOなどの非営利団体の活動もそうですね。
このように、
【自分の気付きや疑問を、社会をよくすることに結び付け、そのためのアイディアや仕組みをデザインすること】
これを「ソーシャルデザイン」と呼びます。
私達の働き方や生き方は大きく変化しています。これからの社会は、今まで以上にソーシャルデザインと密接に関わっていくでしょう。
今回紹介する本「アイディアは地球を救う。希望を作る仕事 ソーシャルデザイン」は、誰にでもソーシャルデザインが可能であることを教えてくれます。
・でも、、何から始めたらいいの?
・お金はどうするの?
・どうやって皆に知ってもらうの?
・世界にはどんな問題があるの?
などの疑問に、ケーススタディを交えて分かりやすく答えてくれています。
その中でも、とりわけ面白いのがアイディア集です。
なるほどね~と感心するものから目から鱗のトンデモ案まで、実際に行われた世界の問題解決アイディアが満載なのです。面白かったものを一つご紹介しますね。
<課題>
絶滅危惧のトラを密猟から救いたい。
<アイディア>
「トラがトラを守る」をキャッチフレーズに阪神タイガースの岡田監督に協力してもらう。
阪神が1勝する毎に、岡田監督がトラ保護レンジャーキットを1式寄付する。
<結果>
ユニークな活動がメディアで広く拡散され問題の認知度がアップ。
3年間で通算240勝、240人分のレンジャーに充実した装備が与えられました。
問題解決が楽しくなりそう!そんな気がしてきませんか?
「アイディアと行動力があれば、誰にだって社会を変えることができるよ。」
「今の自分が出来る事から始めればいいんだよ。」
そう教えてくれるこの本は、子供達にも是非読んでもらいたい一冊です。
小学校高学年から読めますよ。親子で意見交換できたら素敵ですね。
Written by 周さと子(マカオ)