3月8日の「国際女性デー」にちなんで、女性が仕事をする上や家庭内でも活用できる男女間の違い、特にコミュニケーションについて考えてみたいと思います。
コミュニケーション・コンサルタントである私は、対人関係や組織内のコーチングを行うことがあります。その際、クライアントが関係改善したいと思っている対象が異性である場合、このようなフレーズをよく聞きます。
「何度言っても、変わらない」
「何考えているのか、正直わからない」
「もう、彼/彼女じゃなくてもいいかなって思います。」
一方的に聞くと、そんな相手だと大変だなぁなんて思いがちですけど、実はクライアントが相手(異性)に伝える努力をしていないケースが多いのも事実なんです。
そこには、コミュニケーションのコツがあるというわけです。
「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」とは中国春秋時代の兵法書【孫子】にある有名な言葉ですが、
敵側の実情、自分側の実情を正しく知れば負けることはない。という意味です。
相手と戦うわけではないですが、相手と物事をうまく進めるに場合でもこの言葉を参考にする意義は十分にあります。まずは、異性の実情(特徴)を把握しましょう。
現在では、男性脳・女性脳という言葉もよく耳にしますよね。実際、男性・女性では脳の作りも異なります。
先日、ブックレビューに上がっていた【男女の脳戦略】にもあったように、男女は求めるものが違うんです。それは生まれ持ったものであって人の手で変える事は難しいものです。
そのことは幼いころより自然に、女の子はままごとを通して人間関係やコミュニケーション能力を育む事を好み、男の子は競争やチームスポーツを通して目標達成することを好むことからも見て取れます。
女性が男性に悩みを話した際に、男性がその悩みを解決しようとするのに対し、女性が求めているものは共感や慰めであるというのは、よく知られていますよね。
下記の動画はその典型として面白く作られていますけど、思わずわかる~!ってなります(笑
・コミュニケーションとは・・・
男性にとって、目的を達成するための手段です。
女性にとって、人間関係を親密にするための手段であり、同時に娯楽でもあります。
・会話中の「そうですね」「ええ」は・・・
男性にとって、同意、賛成の意思を示します。
女性にとって、興味をもって話を聞いていることを示します。
・自分の弱みや悩みについて・・・
男性は自立思考が強く、弱い部分の開示を嫌い、助けを求めることは少ないです。
女性は弱みを見せる事、共有することに抵抗がありません。
・人間関係は・・・
男性にとって、最重要事項ではありません。
女性にとって、喜びの根源です。
というように、男女間の重要視するポイントが全然違います。そこを理解して認めることから始めましょう。
自分と受取り方が違うといって批判することはやめましょうね。無意味です。
大抵の場合において人は、「自分が話した内容は、相手に届いている」と考えるものですがそれは、相手が聞いたという行為であって、届いた、伝わったということにはなりません。
これは伝える側が勝手に相手に期待してしまうというエゴです。正直なところ、1回で伝わるほうが稀だと思っておく方が賢明です。
これが異性間であるのであれば、なおさらですね。そもそも男女では、受け取り方が違うわけですから。
例えばあなたが職場で、「顧客満足度を上げるサービス努力をしてほしい」という要望をするとします。
それを聞いた男性メンバーは、「速さ、正確さ、精度の追及」をまず考えるかもしれません。
一方、女性メンバーは、「親密さ、丁寧さ、多様性」の提供を思い浮かべるかもしれません。
あなたが意図していたサービス努力に対する方向性は同じでしょうか。
相手に”自主性”や”自分で考える力”を求める方は多いですが、要望だけを話し、相手に丸投げというパターンでは、自分の予想したものと違う結果となってもそれは当然なことと言えるでしょう。
男女間コミュニケーションがうまくいかない場合のポイントはこの点だったりします。
相手に伝わるような工夫をしましょう。
求めていることを具体的に話すとともに、
男性には、その男性の利益(目標達成)になることを
女性には、思いを共有することを 意識するとよいかもしれません。
ずばり「私にどうしてほしい?」と聞いちゃいましょう。
相手が何を求めているかを理解する早道です。
「私に(あなたの目標達成のために・あなたを理解するために)どんなサポートができますか?」
「私に(チームの目標達成のために)どんなことを期待しますか?」
「私に(あなたの助けになるには)何ができるかな?」
聞かれた相手は、関心が向けられていることを嬉しく思うはずですよ。
それだけでもコミュニケーションの円滑につながります。
また、自分が同じように聞かれたら素直に話しましょう。
具体的であると、相手にとってなお良いでしょう。
いかがでしたでしょうか。
背3回経済フォーラム(WEF)による2018年の男女格差を表す「グローバルジェンダーギャップ指数」において、日本は149か国中110位という低い位置にあります。
経済、教育、保健、政治の4分野中、経済と政治の指数が著しく低いことが原因とのこと。
これに関しては管理職の登用、キャリアの継続に関して根本的な女性への待遇改善が必要とされていますが、まずは男女それぞれのマインドにおいて互いへの尊重がない限り、成しえないと思います。
そのうえで、男女間コミュニケーションの向上は男女平等の向上につながるものと考えます。
コミュニケーションの基本は自分を知り、相手を知ること。
男女が協力すれば、それぞれの不足を補い合うことができます。
互いを認めあい、素直になることで大きな一歩となるはずです。
コミュニケーションを楽しみましょう!
それが、豊かな社会を作る土台となります。
Written by 周さと子