マカオに住んでいる私が日帰りでスノーボードを楽しんでいると言ったら「どこにスキー場があるのよ?」という反応が返ってきてもおかしくない。
マカオは亜熱帯地域。数年前の冬に気温が1度まで下がりみぞれが降ったときは新聞の一面ニュースになり、学校は急遽休みになった。そんな南国マカオでスノーボードはできない。
向かうは中国広州市である。
広州市はマカオに隣接する中国広東省の南端に位置する都市。人口は年々増加し続け2018年末時点で約1500万人にのぼる。住宅地域の開発も盛んなエリアだ。
その広州市に2019年6月に室内スキー場がオープンしたのである。そう、雪の降らない広州でもスノーボードができるのはそのため。
マカオから広州市までは140km、所要時間は約3時間。マカオからは国境を越えてお隣中国珠海市へ入り、高速鉄道で珠海駅から広州北駅へ向かう。
ちなみに切符の代金は、珠海–広州北が92元(約1500円)。
昔は鉄道の切符を購入するのに窓口の長蛇の列に並んだ挙句、ようやく自分の番が来たと思ったら「売り切れです」と言われる悲劇が起こったものだが、現在はネットで乗車席の購入ができるようになり非常に便利になった。
自動改札では身分証をスキャンをするだけでよいのである。ただ、乗車券ではなく身分証のスキャンというのが中国の管理社会の厳しさを垣間見る感じだ。
そして、広州北駅に到着。
広州北駅の改札を抜けると、すぐに白タクの運転手が声をかけてくる。中国語で交渉できれば白タクでも安全に目的地に向かえるが、そうでない場合は大通りに並んでいるタクシーを利用したほうが良いだろう。
白タクは50元(約800円)くらい、タクシーは70元(約1200円)くらいが目安。
約25分ほどで目的地が見えてくる。
その目的地とは、広州市北側の新規開発エリアにある「融創茂(ヨン・チョン・モー)」(通称「ヨンチョン」)。
そう、ショッピングモールの中にある室内スキー場「広州融創雪世界」である。(一番上の写真)
ショッピングモールの中のスキー場なんて、、と侮る無かれ。この施設はとにかく巨大。室内スキー場面積(おそらく延床面積)は7.5万平方メートル。横浜アリーナより大きい。
チケットを購入して中に入ると広々とした空間。左側に長いカウンターと右側にはロッカールームが並ぶ。
まずカウンターで、ロッカーのキーを受け取り装具をレンタルする。ウエア、ヘルメット、靴、スキー用具、スノーボード用具が一式レンタルできる。手袋だけもって身軽に来れるのは大きな魅力だ。
オープンして1年も経っていないので新しく綺麗なのも嬉しい。自分の物を使いたいという人は持ち込みOK。
(次ページへつづく)
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