300人ほどの日本人が住むマカオ。その中に、20人ほどの日本人学生がマカオ大学にいます。以前より「なぜマカオに留学したのだろう?」という興味を持っていました。マカオ大学4年生の豊田詩帆にお話を聞く機会があり、色んな質問をぶつけてみました。話しを聞き進めるうちに、海外に出る事に消極的だった彼女が、海外生活を通して変わってきたこと、またそういう自分を楽しんでいる様子が伝わってきました。前編・中編はこちらから。今回は、最後の後編です。
周:他にも留学してから変わったところはあります?
詩帆さん:「苦手だな、嫌だな」と思った事にも挑戦するようにしています。
周:それはすごいですね~。どうしてそう思えるようになったんですか?
詩帆さん:昔は自分の顔が好きじゃなくて、写真撮られることが嫌いだったんですけど、そこを克服したんです。マカオ人の友人達は半端ない量のセルフィ撮るんですよ。そこから渾身の可愛い1枚を選ぶんですね。
セルフィを撮るとき、カメラを持ってる子がちょっと前に出ると顔が大きくなるじゃないですか。で、カメラを持つ順番を友人達で回すわけなんですけど、私が撮ると皆が下手だって言うんです。なので嫌いとかいってられなくて、とにかく撮る練習をしました。ひたすら。そしたら撮るの上手くなったんですよ。
で、私の写真をみた知人に頼まれて、ビデオの撮影に協力したりするようになって。そこからは、写真撮るのも撮られるのも楽しいです。
苦手だと思っていることや新しいものに挑戦してみると、意外と楽しいと思えるということがわかってからは、「嫌だなぁ」と思うことが減ってきました。とりあえず挑戦することにしています。
周:それは素晴らしい成長ですね!逆に留学中に困ったことはありますか?
詩帆さん:この前、ケガして顎を深く切ってしまい病院で縫ったのですが、医療費が高かったことです。大学が提供している保険(1600円位/年)には加入していて、大学内のクリニックでの診察、処方箋は無料なんです。でも顎のケガの時には大学のクリニックでは対応無理ということでマカオの政府系病院に行ったんです。
外国人料金(ローカルの2倍)で10万円くらいかかったんですよ。出費が痛かったです。長期で滞在しているので事故や病気をカバーできる保険に入っておいたほうが良かったなと思っています。
周:それは、大変でしたね。マカオは日本のように国民保険制度ではなく、個人で医療保険に加入が一般的ですからね。マカオIDがないと医療券の配布も受け取れないですしね。
保険に関しては、これから留学を考えている人にもいいアドバイスになると思います。他にアドバイスするとしたら、どんなことがありますか?
詩帆さん:「自分から積極的に動こう」という気持ちを持つといいと思います。積極的に友人を増やしたり、いろんなコミュニティに入ったりすると視野の広がりと充実感が増します。誰でも人間関係って大事ですよね。
私も人間関係の良し悪しが精神的にも大きく影響するんです。なので大学以外にも繋がれるコミュニティを持っておくと、一つのコミュニティで人間関係が不安定になったとしても、他のコミュニティの存在があることでバランスがとりやすくなって、心の健康も保ちやすいかなと思います。
周:なんて有意義なアドバイス!特に海外に慣れていないときなど不安になりがちですよね。どうもありがとうございます。
それでは最後に、お聞きします。詩帆さんはこの留学経験をどのように生かしていきたいですか?
詩帆さん:留学経験を通して、私は物の見方を変えることができたと思います。視野の広さを得られる、行動力の幅が広がる、多くの可能性があることを、こんな私でもできたんだよ!って、たくさんの人に伝えることができるといいなと思います。
それと同時に、日本の事をもっと知って、良さを海外に伝えることも大事にしていきたいです。将来はそんな伝える仕事ができるといいなと考えています。
周:詩帆さん、本日お聞かせいただいた留学経験、多くの方の参考になるものがたくさんあったと思います。どうもありがとうございました!
詩帆さんは、外見だけでなく、内面もしなやかで凛とした素敵な大和撫子でした。留学を通したご自身の成長を楽しんでおられて、こちらまで楽しい気分になりました。
話を聞くうちに自分の留学経験を懐かしく思い出した私。留学経験は私にとって人生の転機であったことに間違いなく、それは詩帆さんもきっと一緒だろうな なんて思いながら。
12月に卒業を迎える詩帆さん、今後もご自身の成長を自信の糧にしてどんどん新しい世界に挑戦していってほしいです。ご活躍、期待しております!
Written by 周さと子