日本で第一次イタリア料理ブームが起こったのは80年代後半、バブルの初期だと記憶しています。
それまで人気だったフランス料理から「肩肘をはらない料理」「コッテリとしたソースを使わず、素材を楽しむ料理」として登場し、「カジュアルなのにおしゃれ」ということでイタリア料理は瞬く間に地位を獲得しました。
当時は「イタメシ」と呼ばれていましたっけ。六本木には全館イタリアに関係する店舗が入った「ピラミデ」という建物もありました。
その後ブームは去ったものも、今に至るまで根強い人気を保ち続けているイタリア料理、食べたことのないという方はいらっしゃらないのではないでしょうか?
ところでそんなに馴染みのあるイタリア料理ですが、日本人の友人によく聞かれることの一つに「食事のシェアを良いのか」と言うことがあります。う〜ん、これは一言で答えるのは難しい、ケースバイケースですから。
それでも皆さんが旅行でイタリアを訪れた時の目安になることはお伝えしたいと思います。
イタリアではレストラン、トラットリア、ピッツェリア、オステリア・・・などとカテゴリーがあります。一般にレストランはトラットリアよりも高級というイメージだと思いますが、レストランの中でも等級分けが存在します。
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いわゆる高級レストラン、内装もゴージャスで黒服がサービスしてくれるようなお店、更にきちんとソムリエがいるようなお店では、昼でも夜でもシェアはダメ、それぞれきちんと自分の分をオーダーです。
前菜、プリモ(パスタ、リゾット、スープ)、セコンド(メインとなる肉か魚)から2品は選びましょう。
「それ一口味見させて」と、ちょっともらうくらいは可ですが、お皿を回したり取り替えるのはご法度。
更にそういうお店ではパスタ一皿はNGです。日本でもある程度かしこまったお店へ行く時に一品だけ頼むということはないと思いますので、それと同じです。
カジュアルなレストランやトラットリア、ピッツェリアの場合、色々なやり方があり、基本的にシェア出来ると言って良いでしょう。
だけれど例えば4人で行って、前菜とパスタを2人前ずつしか頼まないと言うのはあれっ?って感じに思われるかな。
いわゆる日本の居酒屋スタイル、全てをテーブルに乗せて自分のペースで少しずつ取り皿に取り分けるというやり方は、イタリア料理のスタイルから大きく外れてしまうのです。
4人で前菜を2つか3つ取ってシェアし、その後それぞれが自分の食べたい物を一品ずつ取るというやり方はオッケー、イタリア人もよくやります。つまり一部のシェアです。
前菜の盛り合わせと言うのがメニューにある場合、どこのお店も結構量が多いので2,3人でシェア大丈夫。
これは少しずつ色々な物を試す事が出来るので日本人には向いていると思います。私も好きです。
もしくはその逆で、前菜もしくはパスタをそれぞれ決めて、メインをシェアするというケースもあり。
フィレンツェで有名なTボーンステーキなどが良い例で、骨付きの大きな肉の塊は数人で分けて食べることが前提です。いずれの場合もオーダーする時に「これはシェアします」と伝えた方が良いでしょう。
そのレストランをよく知っている人が「ここはこれとこれが美味しいから、皆んなでシェアしよう」と言い出したりすれば、それが前菜であってもパスタであってもそういう流れになり、その他の物を自分で一品決める感じ。
ただパスタをシェアする場合日本と異なる点は、何種類も取って色々な味を一口ずつ・・・という事はしません。
少量でたくさんの種類を食べたい日本人と、好きな物はそれだけを沢山食べたいイタリア人の大きな違いと言えるでしょう。4人だったら同じ種類のパスタを二皿、そしてメインをそれぞれ四皿になります。
ランチの場合は、カジュアルなお店やバールなどではパスタ一皿、もしくはメイン一皿だけもあり得ます。全く問題ないです。
(次ページへつづく)
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