カリフォルニアでは2021年4月15日より、16歳以上であればCOVID-19ワクチンを接種できるようになりました。
今回はカリフォルニアの状況と実際に1回目の接種を受けた体験をレポートします。
カリフォルニアでは、支給されたワクチン数に対しての接種率の低さが問題視されていましたが、そもそも「接種対象であることを知らない」ことで、接種を受けようとしなかった人が多かったのではないかと思います。
というのも、ワクチンの接種希望者が十分に集まらず、未使用ワクチンの使用期限が迫った医療機関がワクチンを無駄にしないために、年齢・基礎疾患の有無に関わらず希望者には接種を実施した話を聞いたからです。
わたしは昨年末に医療関係者の友人からワクチン接種を受けたことを聞いてはいたものの、実際に自分が接種を受けられるのはいつなのか何の通知もなく、ニュースをチェックしないせいもあってよく分かっていませんでした。
ワクチンの安全性への懸念も根強いようで、3月にニュージャージー州の大学が行ったアンケート調査では、4人に1人のアメリカ人が「コロナワクチン接種をしたくない」と回答したそうです。実は、わたしもそんな「受けたくない人」のひとりでした。
通常のワクチン開発には10年やそれ以上かかるのがザラなのに、パンデミックの中で驚くべきスピードで開発され認可に至ったワクチン。警戒せずにはいられません。
第一陣でワクチン接種を受けた看護師の友人から「緊急カートがスタンバってる部屋で、接種後15分観察された」と聞いたことも手伝って、「しばらくワクチンは受けなくていい」と思っていました。
でもある日、大好きなポッドキャストを聞いてから劇的に考えが変わったのです。
その回は、ゲストに「伝記スティーブ・ジョブス」の著者であるWalter Isaacson(ウォルター・アイザックソン)を招いていました。自身の最新作「The Code Breaker(ザ・コードブレイカー)」のプロモーションに来ていたのですが、これが興味深くて。
タイトルを聞いてコンピューター関係の話と思いきや、2020年ノーベル化学賞受賞者のJennifer Doudna(ジェニファー・ダウナ)教授の伝記でした。
彼女が共同開発したゲノム編集技術がファイザー社とモダナ社の開発したコロナワクチンに使用されていることを知り、開発期間のスピードと安全性にも納得がいったのでした。
なにより、いわば体内にコロナウイルスの写真を渡して、「こいつは悪いやつだから、見かけたら攻撃してね」という新しいアプローチに、元エンジニアのオタク心を痛く刺激されたのですね。
ポッドキャストを2倍速で聞くわたしは、わずか30分で「ファイザー社かモダナ社のワクチンを1日も早く接種したい」気持ちになっていました。
早速ネットで調べると、州別に設置された「myturn.州名.gov」(カリフォルニアはmyturn.ca.gov)というサイトに登録すると最新情報が送られてくることが分かりました。
それを日本にいる友人に話すと、「すごくアメリカらしいネーミングだね」と笑っていて、そこで初めて「マイターン(わたしの番よ!)」という強気なネーミングに気付きました(笑)
人生の半分以上をアメリカで過ごしていると、日本では驚かれるようなことも普通になっているのかもしれません。人の順応力ってすごいですよね。
このサイトで接種条件に関する質問に回答し、自分の住所もしくは郵便番号を入力すると、近所で接種を行っている医療機関のリストが表示され、1回目と2回目の接種予約を同時にすることができるようになっています。
幸い取り扱うワクチンのメーカー名も明記されていたので、わたしは迷わずファイザー社のワクチンが接種できるところを選びました。
そして先日、無事1回目の接種を終えました。
接種後のアレルギー反応は大きく個人差があって一概に言えませんが、わたしは思ったより体の怠さを感じました。
当日、接種後6時間は痛み止めやアレルギー薬を服用できないので早寝してやりすごしましたが、2日目はどうにも体が怠く頭痛薬を服用。
朝いつものように起きられず、長めに眠ってしまいました。週末だったので、ゆっくりできて良かったです。
2回目の接種の方が強い反応が出る人が多いそうなので若干心配ではありますが、ここまできたらpoint of no return(後戻りできない地点)。5月中旬の接種も予定通り行ってくるつもりです。
カリフォルニアでのコロナワクチン接種事情、いかがだったでしょうか。次回もお楽しみに!
Written by 野田リエ(アメリカ)