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日系人は世界最多190万人、世界で唯一47全都道府県人会があるブラジル

2020年6月6日
岩井真理 (ブラジル)

ブラジルには世界最大190万人もの日系人がいる

皆さん、こんにちは。ブラジルサンパウロ州に住むMari です。

ブラジルには世界最多190万人もの日系人が住んでいることをご存知ですか?総人口に占める割合は0.6%にあたります。

このコロナ禍の中、日系人のみならずブラジル人も、特にサンパウロの人々には大きな衝撃が走り、誰もががっかりしたニュースが流れました。

ブラジル日本都道府県人会連合会が開催する「第23回日本祭り(Festival do Japão)」の中止が決定したのです。サンパウロ市が「非常事態宣言」を出した直後のことでした。

市が多くのイベント中止やショッピングセンターの営業停止などの対策を次々の発表する中で、ついにブラジル日系社会最大の祭典も苦渋の選択を迫られました。

「いくら大きなイベントとはいえ、そこまでの影響力があるの?」

そんな疑問にお答えするために、まずはブラジルの日系人社会についてご説明したいと思います。

 

日系人の過酷な歴史。世界で唯一、全都道府県人会があるブラジル

サンパウロ発祥の地ゼロ地点の碑(左)日系人が着いた港サントスの移民家族の像(右)

そもそも「日系人」とはどんな人たちでしょうか?

「日本から海外へ拠点を移し、永住の目的をもって生活している日本人ならびその子孫、二世、三世などで、国籍や混血などは問わない」とされています。

そのルーツであるブラジル移民の歴史は、1908年に皇国植民会社がブラジル国と契約をし、移民団を笠戸丸に乗せサンパウロ州サントス港へ送った時から、すでに一世紀以上経っています。移民船がサントスに着いたことで、日系人は主にサンパウロ周辺に住んでいます。

ブラジル移民が始まった頃の日本は、日露戦争後の不況で仕事が無く「広大な農地と安住の地」という政府の触れ込みに、人々はこぞってブラジルを目指したと言います。

折しも、アメリカでは奴隷解放の時期、その波が南米へも来ており、大型プランテーション農業の働き手であった奴隷たちに代わったのが日系移民です。

よって、現実は厳しく、その過酷な労働は、想像を絶するものでした。(少し古いドラマですが、NHKドラマ「ハルとナツ〜届かなかった手紙」が、当時のことをよく描いています。)

今でこそブラジルの地に根付いて生活している日系人ですが、当時は一旗揚げて故郷に錦を飾ろうと、ほとんどの人が出稼ぎ感覚だったようです。

しかし、第二次世界大戦が起こり、食料のない日本に帰るところなどなく、成長していくブラジル生まれの子供達をこの地で育てていこうと次第に覚悟を固めていったようです。

コーヒー農園の畑で働く日系ブラジル人の方々

戦争で中断していた移民も、昭和28年(1953)頃より様々な形(例えば、ブラジルの工業化と日系企業進出のための工業移民など)で再開され、その後20年ほど続いたようです。

一昨年は移民開始110周年を迎え、皇室から眞子様がお越しになり、所縁の地で数多くの式典にご出席されました。

このように遠い異国で苦しくても頑張ってこられたのは、同郷の人達との交流があったからだと言います。お国言葉で励まし合い、乗り越えてきたことは想像に難くありません。

今でもブラジル日系人の祖国への想いはとても強く、現在ブラジルには世界唯一!47都道府県全ての県人会が存在します。

これを取りまとめるのが、ブラジル日本都道府県人会連合会(KENREN)です。

次回は、このKENRENが毎年7月に開催するサンパウロ市で行われる世界最大級の日本文化祭り、「日本祭り(Festival do Japão)」をご紹介したいと思います。お楽しみに〜。

Written by 岩井真理(ブラジル)

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