ドイツでの出産にまつわる衝撃の事実！自然派ドイツの多彩な「出産のポージング」

出産方法の多様さに驚愕

こんにちは。スイスのジュネーブ生活9年弱の後、ドイツのフランクフルトに移住して4年半になります、Towamiです。

この度ドイツにて出産をすることになり、色々と驚いたことがあるのでご紹介したく思いました。

いきなりここからですが・・、これが私が一番驚いた点なので、一番最初にお伝えしたいと思います。

ドイツでは、出産前にいわゆる「両親学級」(英語でpre-natal school, ドイツ語でGeburtsvorbereitung)があります。

そこで出産の心構え、どのように赤ちゃんが産道を通って出てくるか、パートナーの役割、出産の日に何が起きたら病院に行くべきか、授乳の時の心構えなど、色々教えてもらったのですが、中でも「出産のポージング」についてのレクチャーが衝撃的でした。

そもそも私は出産現場に立ち会ったこともないですし、あまりよく調べたこともなかったのですが、勝手に妊婦は出産用のベッドに横たわり、そこで産もうと何時間か頑張って、あまりに痛かったら麻酔を打ってもらう・・・というような漠然としたイメージしかありませんでした。

出産のさまざまなポジションやツール

両親学級で練習させられた、色々な出産のポージング

しかし、ここで習ったのは「出産のさまざまなポジション・体勢」。

・しゃがんでスクワットのポーズでパートナー（夫）に支えてもらって産む
・四つん這いになって産む
・水の中で産む（専用のプールがほぼどこの病院にもある）
・上からぶら下がっている布に捕まってスクワット状態で産む
・出産用の椅子に座っていきむ、などなど・・

そもそもほぼすべてのドイツの病院では、一般的な出産用の部屋に、

・出産ベッドの他に専用の椅子
・天井からぶら下がる布、
・バスタブ
・バランスボール

などなど、各種ツールが用意してあります。分娩室に移動してから、部屋の中を色々と動き回って、自分の好きな体勢を試してみてよいそうです。

もし、最後にやっぱりベッドに寝て産みたい場合は、同じ部屋でそれも可能。

ほとんどの女性ができるだけ自然出産を推進・希望

実際の分娩室の様子。バスタブ、バランスボール、天井にはいきむ時にぶら下がる用の布が

助産婦や産医は常に部屋の中にいるわけではないが、助けが必要な時や、最後のもうすぐ生まれそうな時に間に合うように入ってくるとのこと。なんか想像とかなり違う・・。

そもそも、この両親学級は英語クラスだったので、メキシコ人、コロンビア人、ルーマニア人、香港人、マカオ人、ドイツ人、アメリカ人など色々な国籍の人がいたのですが、インストラクター・参加者のほとんどの女性が、できるだけ自然出産を推進・希望していたことにもびっくりしました。

私は「とにかく痛みが少ない方法を！」と願っていたので、このクラスが始まって第一声、「一番大事な言葉と思いますが、麻酔ってドイツ語でなんて言うんですか？」と聞いたら、皆に唖然とされたほどでした。（ちなみに、答えはPDA、ペーデーアー）

「無痛分娩が一般的なヨーロッパなので、それで皆普通に分娩台に寝転がって産むんだろうな」と勝手に思っていたので（確かにフランスなどではそれがかなり一般的なようですが）、ドイツの自然主義（？）、先進的さやオープンさにかなり驚きました。

ドイツ人の友人はこの四つん這い姿勢で湯船に浸かって出産したとのこと

ちなみに、自然のものに近い痛み止めとして笑いガスなども選択肢に入っていて、麻酔も含め、事前予約などなしですべて保険のカバー内、その時の妊婦の希望と医師の判断で色々なオプションがあることも素晴らしいと思いました。

ちなみに、プレ両親学級のクラスの最初にみんなで読んだ記事が、

「猫は出産するときに隠れて誰にも見られないよう静かなところで産むのに、ある研究者が猫のお産を研究したくてラボに持って行って明かりをつけてじっくり見たら、猫が苦しんで大変なお産になった。

そこからどうやったら猫がもっと楽にお産をできるか技術開発したり、薬を作ったり・・そこで革新的な発明があったら祝福して喜び・・つまり、自然のままに任せていたら簡単だったものを人間の手で複雑にしている」

というような内容で、人間のお産も同じこと、つまり自然の通り静かな空間で一番やりやすい体勢をとれば苦しみも少ないのに現代技術で辛くしているというところから始まったのも面白かったです。

結論としては、ドイツの出産のシステムや保険のカバー、病院での対応はとても良く、ドイツで出産できただけでもドイツに住んでいて良かったなと思いました。

Written by Towami（ドイツ）