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アメリカ人のホストファミリーが驚く日本のお土産文化

2023年9月2日
スペイツ由美 (アメリカ)

日本人留学生の特徴とは?

先日、アメリカ東部で、主にアジアからの留学生を受け入れて過去25年間ホストファミリーをしてきたという友人と「日本人のお土産文化」について話をした。

彼と彼の家族は海外からの留学生のホストファミリー歴が長く、特に日本や中国、台湾などアジア圏からの留学生を家族で受け入れている。

生徒たちは短期留学から長期留学までさまざま。中には夏休みのみ短期語学留学をする生徒も来るそうだ。

最近は中国から来る留学生が多いらしいが、同じアジア圏から来る留学生でも国によって文化の違いがあり、送り出す家族とのお付き合いもさまざまだそうだ。

彼は親日家で、「個人的には日本人や日本食、日本の文化がとても好きだ」と言っていた。

その彼に、特に日本人留学生の特徴について尋ねてみると、「日本人は他のアジア圏の留学生と比べると、大人しいイメージがある」ということだ。あとは「協調性がある」という。

欧米人は一般的に個人主義の傾向が強いので、まずは自分の意見や意向をはっきりと表現するが、特に日本人は先に相手のことを慮って、時には自分の意見や意向を抑えて相手に合わせる傾向にあるようだ。

日本人は当たり前のように周りに合わせるという心遣いがあり、控えめで大人しいという印象になるようだ。しかし、そこが日本人の魅力であり、彼らが親日家になった理由の一つだという。

 

お土産のお返しを期待する日本人

大抵の日本人留学生は、渡米する時にホストファミリーに日本からのお土産を持参するそうだ。

特に日本を想像させるような物や食べ物をお土産にもらうことが多いらしい。日本から我が子を送り出す親は子どもたちに手土産を持たせるのだ。

日本なら当然のこの習慣は、アメリカ人にはとても新鮮なことである。

彼に限らず、数人のアメリカ人から「日本人はたくさんギフトをくれるよね〜」と言われたことがある。

アメリカでは日本のように頻繁に贈り物のやりとりをするという習慣があまりないので、日本人のお土産の習慣には多くの人たちが驚く。彼が話してくれた笑い話に、

「留学生が日本へ帰国するときに、お別れのハグをしてもなかなか帰らないんだ。最初はとても不思議だったが、実は彼らは僕たちからのお土産を待っていたんだね。日本から来るときに僕たちにギフトをくれたから、自分たちが帰る時には僕たちからお返しがくると思っていたんだね。でも、僕らの風習では”お返し”という習慣はあまり一般的じゃないんだ。ギフトはあげたいからあげる、そこにはお返しの期待はないんだよ」

日本へ帰国する際に、お返しのお土産を期待していた生徒は何人もいたそうだ。友人は笑い話として話してくれた。

確かに私自身もアメリカで生活していて思うが、アメリカ人は誕生日やクリスマスにはたくさんのギフトを受け取ったり交換するが、それ以外にはギフトのやりとりはあまりない。

「日本のような手土産やお返しというものがない」ということを知っておかないと、お返しを期待してしまうこともあるのだろう。

 

もらったから返すという感覚だけではない

また、友人がホストをしている学生たちは、日本への帰国が迫ると頻繁に買い物に行き出すと言っていた。

「同じキーホルダーやベースボールキャップをいくつも買うんだ。『あんなにたくさんどうするんだろう』と思って尋ねてみたら、『友達へのお土産』だと言っていたよ。あとは、ずいぶん迷って慎重にお土産を選ぶ学生もいるよ。日本人はお金持ちだよね。あんなにお土産を買うんだから」

もちろん他の国からの留学生たちも、帰国が迫ると頻繁に買い物に行きたがるらしい。

しかし、日本人と他のアジア圏の学生たちとの違いは、他のアジア圏の学生たちは自分のものや家族のものを購入する量が圧倒的に多く、日本人は”お土産”が多いということらしい。

とても不思議そうに彼が話してくれたので、私は一例としてお餞別の話をしてみた。

「日本にはお餞別という習慣もあるので、留学に渡る際に旅の祝福と安全と成功を願う親戚や友人からお餞別を受け取る学生もいるのだろう。留学が終わる頃には、無事に留学が終わるという成功の報告と、餞別に対する感謝の気持ちでアメリカ土産を買って帰る学生もいると思うよ」

私がその話をすると、「Give and Takeという単純な感覚ではないんだね」友人はとても驚いていた。

日本では「差し上げる」方も、「頂く」方も、そのやりとりの双方に”感謝”の気持ちが行き交うこともある。

この会話で友人とはお土産という話題でずいぶん盛り上がったが、”お土産”は、その歴史や意味、目的は一言では語ることが難しいのである。

そのような視点から見ていくと、時にはとても意味の深い”贈り物”でもあるのだ。

Written by スペイツ由美(アメリカ)

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