今回ご紹介するのは、太田英基著の「WORK MODELS: 世界で働く日本人から学ぶ21世紀の仕事論」。
本書は著者の太田英基さんが2年間の旅で出会った1000人以上の人の中から、13人のロールモデルに登場してもらい、さまざまな話を聞く。
太田英基さんは、自身を元来グローバルの「グ」の字も持たない人間だったと表現しているが、以前は「海外」や「世界」という言葉とはほど遠く、一生英語を使うことのない人生を送ると決めていたと言う。
ところが、20代前半の頃突然のきっかけがあり、20歳で起業した会社を辞め、世界へと飛び出した。そして、海外にまつわる本を書き、現在株式会社スクールウィズを設立して留学事業や講師としても活躍されている。
人はきっかけがあれば変わる。一人でも多くの人にそのきっかけを提供することを目的として本書は書かれた。
ここで本書に登場する13人を紹介したい。
・インドネシア 鈴木隆宏(31歳)サイバーエージェントベンチャーズ インドネシア事務所代表
・ケニア 小辻洋介(38歳)世界銀行 ケニア事務所職員
・ブラジル 石丸浩司(45歳)Amazon ブラジル プロジェクトマネージャー
・エチオピア 鮫島紘子 株式会社 audu amet 代表/チーフデザイナー
・グアテマラ 有村拓朗(30歳)NPO法人 SPANISIMO JAPAN 代表理事
・フランス 田淵寛子(34歳)OKOMUSU お好み焼きや店長
・インド 日下光正(36歳)某産業機械メーカー 現地法人代表取締役
・アメリカ 木村亮介(29歳)JINS Eyewear US Inc. 経営企画
・オマーン 今村充裕(33歳)在オマーン日本大使館 外交官
・アメリカ 西島悠貴(27歳)Pivotal Labs エンジニア
・中国 江利川亮(35歳)上海帝泰発展有限公司 シニアディレクター
・タイ 真野浩一(29歳)LaLa Clasico Co.,Ltd 代表取締役
・アメリカ 小野雅裕(33歳)NASA(米航空宇宙局)研究員
このバラエティに富んだ面々の話を一つずつ読み進めていくと、複数の国に住んだことのある私は「そう!」と共感することも多く、そして、よく知らない業界や国の事情を教えてもらった。
そして、改めて世界を舞台に働くという可能性について考えさせられた。
私の学生時代はもっとナショナリストで、海外で働くことはほとんど考えていなかった。ただ日本以外の国も知りたかったので留学し、帰国して日本で働くつもりが、帰国せずそのまま外国に住み続けることになった。
想定外の展開となったが、このような本に出会うのがもっと早かったら、キャリアの迷子の期間ももっと短縮できたのではないかと思う。
いろんな国に住んで、働くチャンスを見つけ、実際に自分で経験することができればいいが、なにせ私たちの身体は一つしかない。持てる時間も限られている。
本書では、一人一人の人にかなりディープに質問を投げかけており、途中にエッセンスをまとめてくれているので、至れり尽くせりの構成である。
こんなにぎゅっと濃縮された経験談を海外に出る前、できれば学生の間に読みたかった。
でも、40代になった今でも出逢えてよかったと思う。
ある程度キャリアは成熟しつつある年齢ではあるが、まだまだ成長・発展の余地があるし、子育てが終わって、第二の人生に大きな展開もあるかもしれない。
人生100年時代、年齢にとらわれて自分を制限することはない。必要なのは、キャリアを築き続けること、そして、行動力だと思う。
本書は、こちらから購入できます。(アマゾンアソシエイトに参加しています)
Written by 藤村ローズ(オランダ)